歴史の世界

エジプト第2中間期③ 第17王朝/エジプト統一戦争

今回は第17王朝について。 この王朝がヒクソスを滅ぼし、エジプトを統一する。統一したイアフメス1世は第17王朝の王であったが、エジプトを統一したということで新しい王朝、第18王朝の初代に分類されている(イアフメスの先代王カーメスが第17王朝の最後の…

エジプト第2中間期② 第15王朝(ヒクソス政権)と第16王朝ほか

第15王朝(ヒクソス政権)の実態はよく分かっていない。その理由はエジプト政権である第17王朝と第18王朝がヒクソス政権の遺物を破壊してしまったからだ。 第15王朝 支配について 交易・外交 第16王朝について アビドス王朝について 第15王朝 第15王朝の誕生…

エジプト第2中間期① ヒクソス政権(第15王朝)の誕生

エジプト第2中間期についてはwikipediaのように第13王朝から始まる説もあるのだが、このブログではヒクソス政権が始まる第15王朝から始まる説を採用する。 この時代の中心はヒクソスというシリア・パレスチナ(レヴァント)から来た民族だが、エジプト人政権…

「アフリカ_エジプト文明②」シリーズを書く

エジプト文明については以前にも書いている。 rekishinosekai.hatenablog.com ↑のカテゴリーでは、エジプトの先史からエジプト中王国時代まで書いた。 今回から新しいカテゴリー「アフリカ_エジプト文明②」を設けて、エジプト中王国時代の後のエジプト第2中…

【書評】内藤陽介『世界はいつでも不安定 - 国際ニュースの正しい読み方』

世界はいつでも不安定 - 国際ニュースの正しい読み方 -作者:内藤 陽介発売日: 2021/03/10メディア: Kindle版 この本は、Youtubeの保守系教養番組「チャンネルくらら」の中の番組「内藤陽介の世界を読む」から、国際ニュースを理解する上で重要なものをピック…

ミタンニ② オリエント世界の外交/滅亡

前回からの続き。 情報のほとんどがエジプト側の史料なので、エジプト中心の記事になってしまった。 エジプトと交戦(オリエント世界の始まり) エジプトの情勢について トトメス3世の遠征 エジプトとの同盟 オリエント世界初期の外交 ミタンニの滅亡 エジプ…

ミタンニ①

今回はミタンニについて。 オリエント世界の到来はエジプトがシリア・パレスチナに進出してきたことから始まるが、その時のシリア(とその周辺)の覇権国がミタンニだった。 ミタンニはフリ人(フルリ人)が建国した国。まずはフリ人の話から。 フリ人(フル…

古代オリエント世界の始まり(前二千年紀後半)

「オリエント」という言葉は複数の意味を持つが、(古代)オリエント世界といえば、エジプト文明とメソポタミア文明とその周辺国を合わせた広範囲の文明圏(地域、世界)を指す。 2つの文明はほそぼそとした交易関係はあったものの、長く文明的にも政治的に…

古アッシリア時代③ ヒッタイト古王国

今回はアナトリア半島のヒッタイトについて。 今回はヒッタイトの先史からヒッタイト古王国までを書く。 まずはアナトリア半島の地理から話を始める。 アナトリア半島の地理 アナトリアの先住民「ハッティ人」 ヒッタイトの先史時代 ヒッタイト古王国の建国 …

古アッシリア時代② シリアの興亡

今回は古アッシリア時代のシリアの話を書いていく。 マリ、ヤムハド、カトナについて書く。 ミタンニについては次回の中アッシリア時代で書く。 ソースはwikipedia。 マリ ヤムハドと首都アレッポ カトナとオロンテス川 オロンテス川 カトナ 出典:シャムシ…

古アッシリア時代① アッシリア(地域)/アッシリア(王国)の興亡

メソポタミアの北部(アッシリア)の時代区分で、前二千年紀前半を古アッシリア時代と呼ぶ。この時代は古バビロニア時代と同時代で対となる。 アッシリアは西方のシリア北部やアナトリア半島に交易ネットワークを持ち関係が深い。さらにはエジプトの交易も益…

古バビロニア時代③ バビロン第一王朝/古バビロニア時代の社会

今回はバビロン第一王朝の話。バビロン第一王朝は「ハンムラビ法典」で有名なハンムラビ王が属する王朝だ。 これと合わせて、古バビロニア全体を通しての法典と経済の話も書こう。 バビロン第一王朝 ハンムラビ メソポタミア統一 衰退から滅亡 古バビロニア…

古バビロニア時代② イシン・ラルサ時代の興亡

前回からの続き。 イシン第一王朝 ラルサ王朝 エシュヌンナ イシン第一王朝 上述のように、ウル第三王朝の将軍だったアムル人イシュビ・エラがイシン市で王となり前2017年に独立し「イシン第一王朝」が始まった。これによりイシン・ラルサ時代が始まる。 た…

古バビロニア時代① イシン・ラルサ時代とは?/アラム人が主役

古バビロニア時代は南メソポタミア(バビロニア)の時代区分の一つ。 時代区分を理解した後、シュメール人最後の王朝であるウル第三王朝の滅亡の前後から話を始める。 時代区分 この歴史の主役はアムル人 ウル第三王朝の滅亡:イビ・シンとイシュビ・エッラ …

「メソポタミア文明②」シリーズを書く

これからメソポタミア文明②シリーズを書く。「メソポタミア文明②」カテゴリーに保存する。 「メソポタミア文明①」カテゴリーはシュメール人最後の王朝ウル第三王朝の滅亡まで書いた。今回のカテゴリーはその続きとなる。 メソポタミア文明入門 (岩波ジュニア…

「武器なき戦争」における"武器"としての国際法

「武器なき戦争」とは平時の戦争。すなわち、ロケット弾が飛び交うような戦時の戦争ではなく、外交論戦やプロパガンダが飛び交う平時の戦争を指す。 この「武器なき戦争」の中で"武器"の一つが国際法だ。 例えば、アメリカはウサマ・ビンラディン殺害(2011)…

「文明の海洋史観」と「勤勉革命」と「ガラパゴス化」

「文明の生態史観」が古典として読みつがれ、「文明の〇〇史観」という本がいくつも出るようになった。そのうちの一つが川勝平太『文明の海洋史観』。 この本の中で「勤勉革命」が紹介されている。以下に書く当ブログの記事は「勤勉革命」のほうがメインとな…

文明の生態史観

「文明の生態史観」について書く。発表当時は唯物史観に対抗するものとして人々に迎えられたが、現在は文明論の先駆そして古典として語り継がれている。 説明 「文明の生態史観」と地政学の比較 地図の比較 性質 「西には手を出すな」 説明 「文明の生態史観…

順次戦略と累積戦略

奥山真司氏が順次戦略と累積戦略という用語を使って啓発関連の記事を書いていたので、これを使って順次戦略と累積戦略がどういうものなのか書き留めておく。 何かを戦略的に成功させようとする場合、その全てはたった2つのやり方に分けられる。2つとは「順…

3つのイメージ/ネオリアリズム

「3つのイメージ」はケネス・ウォルツ氏が考え出した国際政治の分析方法(1959年『人間・国家・戦争ー国際政治の3つのイメージ』)。 浅いことしか書けないが、備忘録として。 3つのイメージ ネオリアリズム バランス・オブ・パワー 米中衝突は国際システ…

プロパガンダのテクニック一覧 その3/止(O~)

前回からの続き O, P, Q(5) R(3) S(5) T(4) U, V, W(3) O, P, Q(5) Obfuscation, intentional vagueness, confusion:難語化。難しい言葉や定義が曖昧な言葉を使って議論をはぐらかす。 Operant conditioning:オペラント条件づけ *1。 子…

プロパガンダのテクニック一覧 その2(E~L)

前回からの続き。 E(3) F(6) G(4) H, I(3) L(5) M, N(5) E(3) Euphemism:婉曲表現。不快にさせる恐れのあるもの、タブー視されるものを別の言葉で表現する。 【例】「死ぬ→他界する」「断る→遠慮する」 また、「お手数ですが」「ご足…

プロパガンダのテクニック一覧 その1(A~D)

今回はプロパガンダのテクニックについて。 プロパガンダのテクニックを知れば、ダマサれることが減るだろうし、仕掛けた側の指向も読むことができる。逆にプロパガンダを仕掛けることもできるだろう。 さて、wikipedia英語版に《Propaganda techniques》と…

プロパガンダ(3)プロパガンダと「宣伝戦」

前回はエドワード・バーネイズの話をした。バーネイズは「プロパガンダ=PR(広報宣伝)」と主張した。彼はプロパガンダをビジネスで使うために最新の注意をはらい、「企業の宣伝活動は、企業が抱いている真の目的を覆い隠すためのまやかしであってはならな…

プロパガンダ(2)プロパガンダとエドワード・バーネイズ

『Propaganda』(1928) を著したエドワード・バーネイズは「プロパガンダの父」と呼ばれることもある。 ただ、『Propaganda』が世に出る前にはプロパガンダは使われていなかったかといえばそうではない。古代からプロパガンダはあったし、近代に限定しても第…

プロパガンダ(1)「プロパガンダ」とはなにか

「プロパガンダ」という言葉をよく見聞きするが、その意味をちゃんと分かっていなかったので、色々と調べてみた。 「プロパガンダ」とは何か 「アジテーション」との比較 まとめ プロパガンダとPR(マーケティング)の違い 細分化(セグメンテーション)とイ…

【書評】奥山真司『“悪の論理”で世界は動く!~地政学—日本属国化を狙う中国、捨てる米国』

“悪の論理”で世界は動く!~地政学—日本属国化を狙う中国、捨てる米国作者:奥山 真司発売日: 2010/02/19メディア: 単行本 “悪の論理”とは倉前盛通氏が1977年に書いた『悪の論理―地政学とは何か』を指す。倉前氏のこの本は当時ベストセラーになったという。 さ…

【書評】江崎道朗『知りたくないではすまされない~ニュースの裏側を見抜くためにこれだけは学んでおきたいこと』

知りたくないではすまされない ニュースの裏側を見抜くためにこれだけは学んでおきたいこと作者:江崎 道朗発売日: 2018/12/19メディア: Kindle版 安全保障上の日米関係に関する本。 カバーそでの文章↓ トランプ大統領誕生から米中貿易戦争まで、なぜ日本人は…

【書評】渡瀬裕哉『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか~アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図』

本書曰く、「分断」の原因は、アメリカの選挙にある。 候補者が当選するためには有権者にとって重要な問題「争点」における主張・論争の中で、有権者の信頼を勝ち取ることがどうしても必要だ。 しかし、現在の選挙ではその「争点」を無理やり作り出して、有…

【戦略学】フィクションその2

前回からの続き。 戦略とフィクション 起業家とフィクション ウソの分類 陰謀論とフィクション 戦略とフィクション 奥山氏がなぜフィクションにこだわるのか。以下の動画で語っている。この動画の中で戦略とフィクションの関係についても語っている。 「戦略…