歴史の世界

春秋戦国:戦国時代⑰ 諸子百家 その9 墨家(2)思想実践、墨家の歴史

前回は墨家の基本思想について書いたが、今回は墨家の歴史について。 墨家は思想よりも歴史のほうが重要なのかもしれない。 創始者、墨子=墨翟 墨子の活動 二代目・禽滑釐と「質的変化」 三代目・孟勝 戦国中期~末期 墨家消滅 以下は浅野裕一著『雑学図解 …

春秋戦国:戦国時代⑯ 諸子百家 その8 墨家(1)基本思想

墨家の基本的な思想は「十論」と呼ばれる十個の主張からなっているが、その中でも有名な「兼愛」と「非攻」を先に書いていこう。その後に「十論」。 兼愛 非攻 基本思想(墨家十論) 兼愛 兼愛説【けんあいせつ】 中国,戦国時代の前4世紀の思想家墨子(ぼく…

春秋戦国:戦国時代⑮ 諸子百家 その7 儒家(6)荀子

今回は荀子について。 荀子は、彼の語る「性悪説」と、韓非子や李斯(始皇帝の丞相)の師匠として有名だ。 荀子は趙の人、前4世紀末つまり戦国末期の人。「稷下の学」で有名な斉の学堂で祭酒(学長職)を努めたほどの人物だ。 後年は楚の蘭陵に移り、その長…

春秋戦国:戦国時代⑭ 諸子百家 その6 儒家(5)孟子(天命と易姓革命)

前回からの続きで今回も孟子について。 天命 天とは? 中国思想と天下 天命 易姓革命 天命 天命の概念は孟子が作った言葉ではないが、孟子の思想を知る上で重要なものだ。いや孟子だけではなく、中国の思想を知る上で重要。さらには日本の思想にも影響してく…

春秋戦国:戦国時代⑬ 諸子百家 その5 儒家(4)孟子(王道思想)

前回からの続きで今回も孟子について。 王道政治 王道と覇道について。 孟子は古今の君主を「王者」と「覇者」とに、そして政道を「王道」と「覇道」とに弁別し、前者が後者よりも優れていると説いた。 孟子によれば、覇者とは武力によって借り物の仁政を行…

春秋戦国:戦国時代⑫ 諸子百家 その4 儒家(3)孟子(性善説/四端説/五倫)

前回からの続きで今回も孟子について。 性善説 四端説 五倫 性善説 孟子と言えば性善説。 その名の通り、人間は生まれながらにして善であるという思想(性善説)である。 当時、墨家の告子は、人の性には善もなく不善もなく、そのため文王や武王のような明君…

春秋戦国:戦国時代⑪ 諸子百家 その3 儒家(2)孟子(仁義について)

今回は儒家の話をしようと思ったが、孟子について書くことが多くなってしまったので記事を数回に分けて書くことにする。 孟子その人について 仁義について 仁について 義について 仁義について 孟子その人について 孟子(前372?-289年)は戦国前期、小国の鄒…

春秋戦国:戦国時代⑩ 諸子百家 その2 儒家(1)孔子の死後の状況

儒教や孔子については以前に書いたので *1 、ここでは戦国時代の儒家について書く。 孔子の死後の弟子たちの動向 先進派と後進派 精神科学派と社会科学派 孔子の死後の弟子たちの動向 弟子たち及びそれらの弟子の系統は幾つかの派閥に分かれているが、ここで…

春秋戦国:戦国時代⑨ 諸子百家 その1 諸子百家とは?

これから諸子百家について書いていく。儒家や墨家などは別の記事で書くとして、ここでは諸子百家とはなんぞやということについて書いていく。 諸子百家とは? 歴史 無秩序の時代(春秋末期~戦国初期) 百家争鳴、隆盛期(戦国中期) 百家争鳴の終焉(戦国後…

春秋戦国:戦国時代⑧ 邑制国家から領域国家へ/遊牧民の登場

記事タイトルの通り、邑制国家から領域国家へという話と遊牧民の登場について書く。 前4世紀末の状況 邑制国家から領域国家へ 邑制国家のおさらいと殷周の邑制国家 領域国家のおさらいと戦国時代の領域国家 遊牧民の登場 出典:戦国時代 (中国) - Wikipedia…

春秋戦国:戦国時代⑦ 楚・燕・趙・韓

戦国七雄のうち魏・斉・秦については書いたので、残りの楚・燕・趙・韓についてまとめて書いてみる。 楚 燕 趙 韓 戦国七雄 出典:戦国時代 (中国) - Wikipedia *1 楚 楚は春秋時代の晋を含む中原諸国に恐れられるほどの大国であり、戦国時代に入っても変わ…

春秋戦国:戦国時代⑥ 中期 斉・秦の二強時代 秦編

前回に引き続き、斉・秦の二強時代の時代。今回は秦。 秦という国について 「春秋秦」から「戦国秦」への変貌/商鞅の変法 巴蜀合併と対楚戦勝利 白起の登場/昭襄王、西帝を自称する 秦という国について 春秋時代の秦については以前すこし書いた(春秋時代⑤…

春秋戦国:戦国時代⑤ 中期 斉・秦の二強時代 斉編

魏の覇権が衰えると、次に目立ったのは斉と秦の2国だった。 秦のことは別の記事で書くこととし、ここでは斉について書く。 (中期と言っても、私が勝手に区分しているだけなので、参考程度に) 田斉:斉の下剋上 春秋時代に斉の桓公は覇者にまでなったが、…

春秋戦国:戦国時代④ 称王/遷都/社会の発達

これから戦国時代における称王/遷都/社会の発達について書く。 諸侯の称王 三晋の遷都 経済状況と富国強兵策 山林藪沢について 「小農民の析出が本格化」 鉄製農具や牛耕の普及 まとめ 諸侯の称王 称王とは王を称すること。これまで中原の諸侯は形式的に周…

春秋戦国:戦国時代③ 前期 最大の勢力は魏

さて、それでは戦国時代の中身の話に入っていこう。ちなみに前期(前5世紀中葉~前4世紀中葉)といっても私が勝手に時代区分したものなので、参考程度に。(記事「時代区分」 参照) 以下の歴史は、『中国史 上』(昭和堂/2016)の吉本道雅氏の執筆部分に…

春秋戦国:戦国時代② 晋の分裂、戦国時代のはじまり

戦国時代のはじまり、それは晋の分裂から始まった。 晋の分裂の重大性 分裂までのあらすじ 晋の分裂の重大性 春秋時代と戦国時代の画期は晋の分裂とされる。なぜ晋の分裂がそれほど重要なのかは、前回も触れたが、晋国が中原*1の覇権を握っていたからだ(春…

春秋戦国:戦国時代① 戦国時代の特徴/時代区分

これから戦国時代へ入る。 春秋時代と戦国時代の性質の違い その他の戦国時代の特徴 時代区分 前期(前5世紀中葉~前4世紀中葉):最大の勢力は魏 中期(前4世紀中葉~前3世紀前期):斉・秦の2強の時代 後期(前3世紀前期~前3世紀後期):秦の一強…

春秋戦国:春秋時代⑭ 孔子の登場 その6 徳治/孔子のルネサンス

徳治 「徳治(徳治政治、徳治主義)」とは、「道徳を以って政治をする」とか「徳のある人が政治をする」とかいう意味の言葉。 孔子の言葉として以下のようなものがある。 人民を導くのに法制をもってし、人民を統治するのに刑罰をもってすれば、人民は法律の…

春秋戦国:春秋時代⑬ 孔子の登場 その5 「天」と「仁」/孔子の登場 まとめ

前回に引き続き、儒教における重要な要素を書いていく。 今回は「天」と「仁」。 「天」は孔子が儒教を作った時の重要な要素の一つ。 「仁」は儒教の最高の徳目と言われている。 「天」 「仁」 「孝弟なる者は、其れ仁の本為るか」(『論語』学而篇) 「仁」…

春秋戦国:春秋時代⑫ 孔子の登場 その4 「礼」と「孝」

儒教にとって、最重要の礼と孝を説明してみる。 「礼」とは何か 「礼」は孔子と儒家が創作した 「孝」:儒教における最重要な要素 礼と孝 礼と形式主義 「礼」とは何か 『礼記(らいき)』は中国古代王朝・周の礼の規定とその精神を雑記した書物で、49篇から…

春秋戦国:春秋時代⑪ 孔子の登場 その3 「儒」の起源

wikipediaから引用。 儒(じゅ)の起源については、胡適が「殷の遺民で礼を教える士」として以来、様々な説がなされてきたが、近年は冠婚葬祭、特に葬送儀礼を専門とした集団であったとするのが一般化してきている。 東洋学者の白川静は、紀元前、アジア一帯…

春秋戦国:春秋時代⑩ 孔子の登場 その2 孔子の人生について

孔子の人生については『史記』の孔子世家に書かれている。「孔子#生涯 - Wikipedia」は基本的に孔子世家をベースに詳述している。 世家は諸侯クラスの家柄の人物伝が書かれているカテゴリーなので、孔子がこのカテゴリーに入れられていることは司馬遷がそれ…

春秋戦国:春秋時代⑨ 孔子の登場 その1 時代背景

晋の「覇者体制」が崩壊して無秩序の世の中になった時、諸侯たちは新しい秩序を求めるようになった。その要請に答えたのが孔子であり儒家・儒教であった。 これより数回に亘って孔子および儒教について書いていくが、この記事では孔子が登場した時代背景を書…

春秋戦国:春秋時代⑧ 中華思想の形成

晋の文公が覇者となり、中原の諸侯国を支配したこと、そして晋国の君主が覇者を世襲したことは以前の記事で書いた(春秋時代④ 晋の文公/晋による覇者体制 )。 この支配体制の期間で、諸侯たちの間で文化が共有された。その文化が現代まで続く中国文化の起…

春秋戦国:春秋時代⑦ 支配階級の変遷

今回は春秋時代の支配階級の変遷について書いていく。 諸侯国内の階層 晋の覇者体制からの社会の変遷 諸侯国内の階層 諸侯のもとには卿・大夫・士・庶人・工商および隷属民の身分があった[中略] 。[春秋時代初期の東遷期には、]中原の有力諸侯国が周辺の小…

春秋戦国:春秋時代⑥ 呉と越

前6世紀末になると春秋時代もいよいよ終わりに近づく。 この頃、晋の内部では権力争いが繰り広げられ、その間隙をついて楚は北侵を度々するのだが、その楚も呉からの度々の攻撃に手を焼くようになった。 楚が脅威では無くなり、晋が頼りにならなくなる状況…

春秋戦国:春秋時代⑤ 楚と秦

前回は晋の文公、前々回は斉の桓公について書いた。この二人は春秋五覇に数えられている。 今回は、春秋五覇のうち、楚の荘王と秦の について書く。 ちなみに、春秋五覇に挙げられている宋の襄公については前々回に簡単に書いた。 春秋時代の諸国 出典:春秋…

春秋戦国:春秋時代④ 晋の文公/晋による覇者体制

前回、楚の成王が宋の襄公を破ったことまで書いた。 今回は晋の文公の話を書こう。 文公は、前回書いた楚の成王を打ち負かして覇者になった。 春秋時代の諸国 出典:春秋時代 - Wikipedia 晋の文公 晋による覇者体制 年表 晋の文公 晋の起源は、西周第2代成…

春秋戦国:春秋時代③ 斉の桓公/宋の襄公/楚の成王

さて、歴史の流れを書いていこう。 今回から覇者の時代について書いていく。トップバッターは斉の桓公だ。 前回書いたように、本来の「覇者」の意味は「諸侯の長」であり、同盟国諸国のリーダーの意味だった。しかし後に「覇者」は単に軍事的に強い者を意味…

春秋戦国:春秋時代② 覇者とはなにか/「五覇」とはなにか

前回、鄭荘公が小覇と呼ばれたことを書いたが、その次世代に当たる頃、斉の桓公が覇者と呼ばれるようになった。これが覇者の幕開けになる。 今回は歴史の流れに入る前に、覇者とは何かについて書いていこう。 覇者とはなにか 「五覇」とはなにか 覇者体制:…