歴史の世界

中国文明:先史⑮ 新石器時代 その13 後期新石器時代 その8 新石器時代末期の終焉

中国本土の各地で繁栄した後期新石器時代も終焉が訪れる。 中国本土に何が起こったのかを書いていこう。 後期新石器時代に「文明」は誕生した? 新石器時代の崩壊 「なぜ中原だけが発展することはできたのか」は別の記事で書く 後期新石器時代に「文明」は誕…

中国文明:先史⑭ 新石器時代 その12 後期新石器時代 その7 長城地帯の変容/西方からの新要素の導入

中国の北方、農耕地域と放牧地域を分けるように万里の長城が築かれている。この東西に伸びる地域を長城地帯と呼ぶ。 この地帯の歴史の移り変わりを書いていく。 この記事では、宮本一夫氏の『中国の歴史01 神話から歴史へ(神話時代・夏王朝)』*1の「第7章…

中国文明:先史⑬ 新石器時代 その11 後期新石器時代 その6 中原龍山文化

前回より続き。 龍山文化がどういうものかは前回に書いた。 今夏は中原龍山文化。「中原(ちゅうげん)」の範囲は中国史の各時代によって異なるのだが、新石器時代は黄河中流域を指す。 出典:宮本一夫/中国の歴史01 神話から歴史へ(神話時代・夏王朝)/…

中国文明:先史⑫ 新石器時代 その10 後期新石器時代 その5 龍山文化/山東龍山文化

龍山文化(前2500-前2000年)は黄河中流域・下流域の文化。 大きくは中原龍山文化(中流域)と山東龍山文化(下流域)に分けられる。 龍山文化の特徴といえば、土器(=陶器)の「黒陶」(後述)だが、より重要なのは社会の変化、すなわち分業化や階層化など…

中国文明:先史⑪ 新石器時代 その9 後期新石器時代 その4 屈家嶺文化/石家河文化

今回は長江中流域の文化について書く。 屈家嶺文化(前3000年紀前半) 石家河文化(前3000年紀後半) 囲壁集落 屈家嶺文化(前3000年紀前半) 大渓文化を継承して栄えた文化。 この文化のあいだに、農作物の生産向上と人口増加を背景に分業化が進んだ。陶器…

中国文明:先史⑩ 新石器時代 その8 後期新石器時代 その3 良渚文化

前回は玉器について書いた。 今回書く良渚文化はこの玉器が階層化の道具となる。 良渚文化は長江下流域に興った文化で時代は前3300-2200年(諸説あり)。後期新石器時代の手前から中国最古の王朝誕生の手前まで。 時代区分 良渚文化の生産力 階層化を表す墓…

中国文明:先史⑨ 新石器時代 その7 後期新石器時代 その2 (ステータスシンボルとしての)玉器

今回は長江下流域で興った良渚文化について書こう…と思ったが、「玉器/玉(ぎょく)」について書く。 玉器は良渚文化の階層を表す遺物なのだが、これの説明をするのに1ページをかけてやろうと思う。 私の書きたい以上のことが「玉について」というネット記…

中国文明:先史⑧ 新石器時代 その6 後期新石器時代 その1 大汶口文化

後期新石器時代(前3000-2000年)は、東アジア最古の王朝の誕生の準備段階だ。誕生前夜。 また考古学から見れば、文明は、国家誕生の前に、この時期に始まっていたという主張もある。 この記事では大汶口文化ついて書いていく(ほとんど階層化の話)。 後期…

中国文明:先史⑦ 新石器時代 その5 中期新石器時代 後編

前回からの続き。 集落の特質 黄河・長江両流域 遼河流域西部:紅山文化 農業と社会の変遷 集落の特質 黄河・長江両流域 黄河・長江両流域においての集落の特徴。 集落は環壕(環濠)*1に囲まれていた。主に野獣から集落の成員と家畜を守るためだ。 集落内は…

中国文明:先史⑥ 新石器時代 その4 中期新石器時代 前編

中期新石器時代(前5000-前3000年)。 前5000-前3000年(7000-5000年前)の気候は温暖湿潤だった。農耕地帯は温暖化のおかげで拡散した。 完新世の気候最温暖期(ヒプシサーマル) 農耕地帯の拡散 稲作の初期の風景 完新世の気候最温暖期(ヒプシサーマル) …

中国文明:先史⑤ 新石器時代 その3 前期新石器時代

前回は「早期石器時代」について書いた。その続き。 各地に文化圏が形成される まとめ この記事でいうところの「前期新石器時代」は「前7000-前5000年」(9000-7000年前)。宮本一夫氏(2005)*1の時代区分を採用している(前回の記事参照)。 この時期に、…

中国文明:先史④ 新石器時代 その2 時代区分/早期新石器時代

時代区分 早期新石器時代 定住の始まりと土器の出現 農耕の始まり イネの起源 アワ・キビ 時代区分 「○○年前」バージョン 早期(11000-9000年前) 前期(9000-7000年前) 中期(7000-5000年前) 後期(5000-4000年前) 「紀元前/BC」バージョン 早期(前900…

中国文明:先史③ 新石器時代 その1 新石器時代の始まりについて

新石器時代の始まりを何時にするか? 新石器時代でも近代でもそうだが、その始まりを何時にするかは学者(あるいは学派)によって違い、数種類 存在することになる。 中国の新石器時代についても同様だが、ここではその時点の候補を幾つか取り上げてみよう。…

中国文明:先史② 旧石器時代 後編(後期旧石器時代)

前回からの続き。 後期旧石器時代(4-1万年前) 後期旧石器時代の時代区分 後期旧石器時代前半 後期旧石器時代後半 新石器時代へ向けた新しいトレンド 後期旧石器時代(4-1万年前) 後期旧石器時代の主役はホモ・サピエンス(現代型新人)。 この時代の初…

中国文明:先史① 旧石器時代 前編(前期・中期旧石器時代)

先史の最初、旧石器時代の話に入る。 旧石器時代の始まりと終わり 時代区分 石器について 前期・中期旧石器時代 オルドワン型石器群 前期旧石器時代について 中期中期旧石器時代について 旧石器時代の始まりと終わり 中国の旧石器時代の始まりは、当然、最初…

中国文明:中国の地理④ 主要河川

中国における7大水系の位置の概要 出典:中国における水環境の現状を踏まえた分散型排水処理技術の取組みと提言(2012年度 31巻3号)|国環研ニュース 31巻|国立環境研究所 松花江 遼河 海河 黄河 淮河 長江 珠江 松花江 東北地方(満洲)のさらに東北部に…

中国文明:中国の地理③ 現代中国の省を覚える

現代中国の省を覚えることは、中国史を詳しく学ぶための必須事項。 中国文明誕生は黄河と長江と遼河の流域だけ。必要な箇所だけでも覚えておこう。 陝西省/漢中 中原 巴蜀 珠江(しゅこう) 出典:Template:中華人民共和国の行政区分 imagemap - Wikipedia …

中国文明:中国の地理② 地形・気候

大まかな地形 「文化」を分ける南北に連なる3つ山系 気候区分 中国の自然地理区分 大まかな地形 中国の地形は「西高東低」である。西にチベット高原があり、東に平原があり、その中間の高さの山地・盆地・高地(高原)がある。 下の地図は3つの高さ(階梯…

中国文明:中国の地理① 「シナ」という用語について

「シナ」は本来は、差別用語ではない…しかし シナ=中国本土= China Proper 「シナ」は本来は、差別用語ではない…しかし シナは後述するように本来は、地理的呼称であり差別用語ではない。差別用語ならインドシナという言葉も訂正されるべきなのに、されてい…

中国文明:「中国文明」を調べる際の注意点② 「多地域進化説」を唱える中国人学者

北京原人からホモ・サピエンスへ 人類の進化の一般的な見解は「アフリカ単一起源説」だ。つまり、現生人類(ホモ・サピエンス)はアフリカ大陸で誕生し、他の大陸に拡散したという説。 これに対して、ジャワ原人・北京原人・ネアンデルタール人などが各地域…

中国文明:「中国文明」を調べる際の注意点① 言論の自由がない現代中国

現代中国では古代史を調べることに熱心だ。熱心なのはいいが、その背景には中国共産党がいるというのが注意すべき点だ。 言論の自由がない現代中国 夏商周断代工程と中華文明探源工程 言論の自由がない現代中国 周知のように中国には言論の自由がない。しか…

中国文明シリーズを書く

これから中国文明シリーズを書く。「中国文明」カテゴリーに保存する。 中国文明とは? このブログでの「中国文明」カテゴリー このカテゴリーで書くこと 中国文明とは? 昔は「黄河文明」とされてきたが、近年では「中国文明」として学校で教えられているよ…

「中国人論・中国論」カテゴリーの主要な参考図書およびウェブサイト

「中国人論・中国論」シリーズ終了。 コラム的に1つのとして書こうと思ったがこんなに長くなってしまった。 まあ、これから中国史を勉強するにしても、現代の国際政治を考えるにしても中国人の行動様式を知っておくことは有用だとは思う。 この記事では、主…

【中国人論・中国論】平等思想が無いか希薄 ―人間関係から外交の話。

【中国人論・中国論】のカテゴリーの中で中国人社会の人間関係について書いてきた。 「法治」が通用しない弱肉強食の中国社会では、人間関係が全てだ。 平等思想が無いか希薄 人間関係には、宗族(氏族・大家族)、幇(互助組織、秘密結社)、同郷組織、同業…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その6 文を尊び武を卑しむ

「文尊武卑」。中国の性質と言われている。これに関する大隈の日中の比較の論も紹介する。 それと最後におまけとして、現在の日中の状況を書き留めておこう。 閭右と閭左 「文→虚飾」「武←質」 武強で亡ぼしても、文弱に征服される 大隈の日本観 おまけ:現…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その5 中華思想

この記事では中華思想について書く。 中華思想 自国の実態 朝貢の実態 中華思想が引き起こした悲劇 おまけ:日本にもあった中華思想 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者: 大隈重信,倉山満出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2016/09/02…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その4 道学(老子)について

道学について 中国史における法治国家 道学と道教 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者: 大隈重信,倉山満出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2016/09/02メディア: 単行本この商品を含むブログを見る この記事では、上の本を元に大隈の道…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その3 儒教について

儒教について大隈がどのように説明しているのかを書く。 儒教の要点「仁」 「礼」と後代の儒家 孔子と支那への批判 変わり果てた儒教 大隈重信と岡田英弘の「儒教観」は同じ 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者: 大隈重信,倉山満出…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その2 同時代の支那の動きを踏まえて

まず、大隈と同時代の清国の歴史を振り返る。そのあとに大隈がそれを見てどのような中国観を持ったのかを見ていこう。 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者: 大隈重信,倉山満出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2016/09/02メディア: 単…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その1 大隈が本を出す原因となった「対華二十一カ条の要求」

大隈重信が『日支民族性論』という中国論本を出している。この記事ではまず、大隈がなぜ本を出版する気になったのかを書いていこう。 この記事では、大隈が本を出す原因となった「対華二十一カ条の要求」について書く。 「対華二十一カ条の要求」 第5号 大…