歴史の世界

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

秦代⑦:政策(7) 貨幣制度

秦の中華統一後の貨幣事情は基本的には度量衡と同じで戦国秦の制度の全国展開をしようとしていた。 しかし、全国の貨幣を秦の貨幣に変えるためには長い時間を必要とした。 山田勝芳『貨幣の中国古代史』 *1 によれば、本格的に貨幣統一に乗り出したのは二世…

秦代⑥:政策(6) 「焚書坑儒」の実像

今回は「焚書坑儒」の実像。 焚書坑儒という言葉を知っている人は多いと思う。学問や思想に対する弾圧の比喩として使われることもある。 この言葉のイメージはだいたい以下のようなものだろう。 中国、秦の始皇帝が行なった思想弾圧。紀元前213年、医薬・卜…

秦代⑤:政策(5) 度量衡・車軌・文字の統一

前回からの続き。 度量衡・軌道・文字の統一の意義 度量衡とは? 車軌 文字の統一 度量衡・軌道・文字の統一の意義 これらの統一は中央集権化の一環である。 戦国時代では各国で国政改革により中央集権化が進められたが、これを中国全土で展開したのが始皇帝…

秦代④:政策(4)黔首/安全保障政策/始皇帝陵と兵馬俑坑

また前回の続き。 民(庶人)の呼称を「黔首(けんしゅ)」とする 刀狩り 六国の首都の城郭の破壊 富豪の強制移住/上林苑・阿房宮・始皇帝陵/咸陽城の拡張 始皇帝陵と兵馬俑坑 民(庶人)の呼称を「黔首(けんしゅ)」とする 「黔」は黒、「首」は頭の意。…

秦代③:政策(3)郡県制(租税の話も含む)

前回に続いて今回も政策の話。 今回は郡県制について。 封建制と郡県制 「征服戦争の功臣にも封邑地を与えなかった」 郡や県には中央から官僚が派遣される 「県」の中身(租税の話) 「郡」は「軍」なり 全土を36郡に分割する 郡県制の採用への流れ 「郡」「…

秦代②:政策(2) 諡(おくりな)の廃止/「水徳」の採用:五行説について

前回に引き続いて秦代の政策について書く。「こんなものは政策ではない」とは思うが他に適当な言葉が思い浮かばないのでとりあえず「政策」としてみた。国家の根幹となる大事なことだ。 諡(おくりな・シ)の廃止 「水徳」の採用:五行説について おまけ:五…

秦代①:政策(1) 前置き/皇帝号の採用/他の用語変更

秦帝国が整備した統治体制は、後の中国の歴代王朝が継承した。ということは、始皇帝(を含めた秦帝国の為政者たち)が中国帝国史の基本を作ったということも出来る。 現在の中華人民共和国の国家主席は世襲ではないが、帝国の体制は継承しているようだ。現代…

「秦代/楚漢戦争」シリーズを書く

これから「秦代/楚漢戦争」シリーズを書く。「中国_秦代/楚漢戦争」カテゴリーに保存する。 秦代および楚漢戦争については下で少しだけ説明する。詳しいことは別途記事にしていく。 この二つの時代は短いので一つのカテゴリーにまとめた。 秦帝国について …

【書評】マイケル・ピルズベリー『China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」』

今回は書評を書く。 China 2049作者:マイケル・ピルズベリー発売日: 2015/09/03メディア: 単行本 著者について 出版について 本の内容 アメリカの致命的な判断ミス 中国の国家戦略 非道を繰り返す中国 私の注目点・感想 この本はどういう本かと言うと だいた…