歴史の世界

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

道家(19)荘子(著者と成立時期)

これから複数回に亘って『荘子』について書いていく。 このブログでは著書の『荘子』を二重括弧で表記し、著者を荘子と括弧なしで表記する。 《荘子(そうじ)とは - コトバンク》によれば、著書『荘子』は「そうじ」と呼んで著者の荘子を「そうし」と呼ぶこと…

道家(18)老子(『老子』まとめ)

この記事では、書物の『老子』を二重括弧で表記し、人物の老子は括弧無しで表記する。 書物の『老子』は『道徳経』と表記されることもある。wikipediaでは『老子道徳経』という表記を採用している *1。 この記事では、『老子』の内容についてまとめる。 『老…

道家(17)老子(『老子』の有名な言葉  後編)

前回の続き。 上善如水 学絶てば憂い無し 足るを知る 和光同塵 柔よく剛を制す 上善如水 第8章の一部。 [書き下し文] 上善は水の如し。 水は善く万物を利して争わず、衆人の悪(にく)む所に居(お)る。 故に道に幾(ちか)し。 [現代語訳] 一体、最上…

道家(16)老子(『老子』の有名な言葉  前編)

『老子』の中には、『老子』を知らない人でも知っている言葉が幾つかある。その中の幾つかの意味をここに書留めておく。 大国を治むるは小鮮を烹るが如し 天網恢恢疎にして失わず 小国寡民 大国を治むるは小鮮を烹るが如し 第60章より。 [書き下し文]大国…

道家(15)老子(戦略書としての『老子』⑤--中国の戦略思想──西洋との違い)

この記事では、中国の戦略思想を西洋のそれと比較して、その特徴を書いていく。 「戦略」 「後発制人」 現代中国と「後発制人」 「指桑罵槐」という言葉 真説 - 孫子 (単行本)作者:デレク・ユアン出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2018/02/07メディア: …

道家(14)老子(戦略書としての『老子』④--「無形」と「道」と世界観)

今回は《実は『老子』の中の重要な概念「無」「無為」も『孫子』の「無形」から発展したものだった》という お話。 真説 - 孫子 (単行本)作者:デレク・ユアン出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2018/02/07メディア: 単行本 水の比喩と「無形」と「無」「…

道家(13)老子(戦略書としての『老子』③--「反」の理論)

前回の続き。 今回は「反」の理論。 「反」の理論 「反」の理論と「道」 「反」の理論と「柔弱」 「柔弱」と「勢」と「形」 「反」の理論と「無為」と「有為」 真説 - 孫子 (単行本)作者:デレク・ユアン出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2018/02/07メデ…

道家(12)老子(戦略書としての『老子』②--『孫子』の「詭道」の考えの採用)

前回からの続き。 真説 - 孫子 (単行本)作者:デレク・ユアン出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2018/02/07メディア: 単行本 さて、中国戦略思想の歴史の流れの中で、『孫子』の後に残された課題を『老子』が受け継いで完成させた。 その課題は以下の通り…

道家(11)老子(戦略書としての『老子』①--『老子』は『孫子』の影響を受けている)

『老子』を戦略書として読むことについては、以下の本に書いてある。 真説 - 孫子 (単行本)作者:デレク・ユアン出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2018/02/07メディア: 単行本 この本は『孫子』を戦略書として解説する本だが『老子』についても戦略書と…

道家(10)老子(「無為自然」と政治)

この記事では、『老子』に出てくる「自然」という言葉を中心にして「無為自然」とは何かを書いていく。 ソースは池田知久著「『老子』その思想を読み尽くす」の第5章 『老子』の自然思想 。 『老子』 その思想を読み尽くす (講談社学術文庫)作者:池田 知久…