歴史の世界

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

エジプト文明:先王朝時代① バダリ文化

場所 出典:Absolute Egyptology - Egypt before the Pharaohs 中部エジプトのバダリ遺跡(El Badari)を中心とする。 時期 馬場匡浩氏によれば*1、前4400-4000年頃。 生活様式 生活の基盤は農耕・牧畜で、漁撈と狩猟採集で補完していた。 農耕は六条オオム…

エジプト文明:先王朝時代について

先王朝時代 この時代の年代と登場する文化 時代区分 この時代に起こったこと 最後に 先王朝時代 先王朝時代(エジプト先王朝時代)とはエジプト文明の基層となる文化の形成期のこと。 「エジプト文明の基層となる文化」とはナカダ文化のことで、この時代の中…

エジプト文明:先史⑭ メリムデ文化

場所 メリムデ遺跡はナイル・デルタの西端、低位砂漠との境界にある現在名ワルダーンという村の近くにある。耕地拡張のため大半が破壊されてしまったと言う。 出典:Merimde Beni Salama site in Delta is larger than was thought \Ahram Online 9 Apr 2015…

エジプト文明:先史⑬ ファイユーム文化

エジプトにおける農耕・牧畜を有する最古の文化はファイユーム文化だ。この文化は西アジア由来のものとされている。 ファイユーム文化は「ファイユームA文化、Faiyum A culture」と表されることがあるが同義だ。 現在のファイユーム低地 先史時代のファイユ…

エジプト文明:先史⑫ ナイル川流域がサハラ・サヘルより文化的に遅れていた

エジプト文明が誕生したのはナイル川河流域だが、北アフリカでこの地が常時文化的にリードしてきたわけではなかった。 最終的には、サハラ・サヘルから流入した遊牧中心の文化と西アジアからの農耕・牧畜=定住文化が統合されて文明が誕生することになる。 …

エジプト文明:先史⑪ ナイル川下流域 -- エジプト文明の舞台

北東アフリカの砂漠を貫くナイル川。アフリカ大陸の乾燥期に他の川や湖が干上がってもナイル川は干上がることはなかった。 ナイル川下流域 ナイル河谷(上エジプト) ナイルデルタ(Nile Delta・下エジプト) ナイル川とデルタ地帯 ナイル川は生命線 ナイル…

エジプト文明:先史⑩ 「緑のサハラ」時代/まとめ

この記事で「緑のサハラ」は終わりなので、まとめることにしよう。 「緑のサハラ」の始まり 土器の始まり ウシの家畜化 可食植物の集約的採取と栽培について サハラ・サヘルにおける経済 社会の高度化 社会発達はナイル川流域より早かった まとめ 「緑のサハ…

エジプト文明:先史⑨ 「緑のサハラ」時代の終焉とエジプト文明とのつながり

前6000年頃から徐々に乾燥化が強まっていたが、前4000年頃(前3900年?)、さらに乾燥化が強まり、ここで「緑のサハラ」の時代は終わった(5.9 kiloyear event<wikipedia)。 サハラ・サヘルで生活していた多くの人々は四方に散ったが、その多くがナイル川…

エジプト文明:先史⑧ ナブタ・プラヤ 後編

前回からの続き。 引き続き、以下の2つを参考文献とする。 馬場匡浩著『古代エジプトを学ぶ』(六一書房/2017) ウェブサイト「ナブタ・プラヤ|Nabta Playa|人類歴史年表」 後期新石器時代 祠堂(巨石の建築物) 石塚 カレンダー・サークル 後期新石器時…