2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧
まず、大隈と同時代の清国の歴史を振り返る。そのあとに大隈がそれを見てどのような中国観を持ったのかを見ていこう。 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者: 大隈重信,倉山満出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2016/09/02メディア: 単…
大隈重信が『日支民族性論』という中国論本を出している。この記事ではまず、大隈がなぜ本を出版する気になったのかを書いていこう。 この記事では、大隈が本を出す原因となった「対華二十一カ条の要求」について書く。 「対華二十一カ条の要求」 第5号 大…
(この記事は中国論というより、なぜ福澤が『脱亜論』を書くに至ったのか、が主題。) 日清戦争の10年ほど前、福澤は朝鮮の独立と近代化に傾注していた。しかし彼が支援していた朝鮮独立党(開化派)のクーデターが失敗に終わり、朝鮮政府が彼らとその親族の…
中国人論の重要な要素の一つ「面子」について書いていなかったので、ここで書いておこう。 [(面子は)中国精神の綱領であるから、これをつかみさえすれば、ちょうど24年前に弁髪を引っこぬいたのと同じように、身体全体も一緒にくっついて来る」と辛亥革命…
前回まで、日本人の学者の本に頼って中国人について書いてきたが、今回は現代の中国人が書いた本*1に頼って書いていく。 中国における人間関係/平等は無いか希薄 人間関係と権力 友人を持つデメリット おまけ 私が参考にした日本人学者は幇や宗族という用語…
中国人社会を説明するために「二重規範」という用語を使ったほうがいいと思い、書いてみた。 二重規範と共同体 中国の共同体と「事情変更の原則」 二重規範と共同体 二重規範はダブルスタンダードと解されることがあるが、違う。 ダブルスタンダードは二枚舌…
前回、宗族について話したが、今回は「幇(パン、ほう)」について。中国語では「帮会(パンフェ)」。 幇を一言で表せば「義兄弟」。ただし、この関係は宗族よりも、本当の兄弟よりも繋がりが強いと定義する人もいる。小室直樹著『小室直樹の中国原論』*1で…
中国の人間関係の一部「宗族」のことについて書く。 宗族とは何か 血縁集団の利点 宗族の歴史 宗族と地域社会 石平先生に学ぶ宗族 参考になる動画 宗族とは何か 宗族とは《父系血縁集団+部外婚制》である。氏族(共通の祖先を持つ血縁集団*1 )の一種。 父…
私自身は中国人との付き合いが全く無いので、書籍その他に頼って書いてみよう。 いくつかの記事に分けて書いていく。 今回は、「中国人社会は日本人社会とは全く別物」「中国人社会は弱肉強食」「中国人はなぜウソをつくのか」という話をする。 しかし「中国…
この記事は、実際は「中国人論・中国論」シリーズを書き終わった後に書いている。 こんなに多数の記事を書くつもりはなかったが、これから中国史を勉強するにしても、現代の国際政治を考えるにしても中国人の行動様式を知っておくことは有用だ、と思って長々…
中王国時代までで一旦「エジプト文明」を離れる。 ここではこれまで利用した主要な参考図書およびウェブサイトを書き留めておこう。 ブライアン・フェイガン/古代文明と気候大変動/河出書房新社/2005(原著は2004年出版) 高宮いづみ/エジプト文明の誕生…
灌漑 書記(官吏) 文学 灌漑 ナイル川については、「先史⑪ ナイル川下流域 -- エジプト文明の舞台」で書いた。人工灌漑の話をする前にリンク先の知識が必要だ。 詳しくは、リンク先で紹介しているが、ナイル川は1年の中で繰り返す水量の増減が、耕地に養分…
中王国時代のまとめのようなことを書く。今回は古王国時代や第1中間期からつながる話。 マアト(秩序)の維持と社会正義 古王国時代のマアトの維持 中王国時代のマアトの維持 高官たちの墓と社会正義 宗教上の大衆化・民主化 オシリス神の大衆化 コフィン・…