2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
(ブログのタイトルを変えました。「歴史の世界」→「歴史の世界を綴る」。) 保立道久氏によれば、「『老子』は、まずは「王と士の書」として読むべきものであろう」としている。 *1 *2 簡単に言えば、(大きな意味での)為政者たちの教訓・心得のような書と…
「無為」についての2つ目の記事。 今回は儒教批判について。 『老子』が編纂された時期には世間に充分に儒教が道徳として広まっていたらしく、そのような状況で『老子』は「儒教が広まっているのに秩序が乱れ、道徳として機能していない現状」を批判してい…
「無為自然」を理解するために、今回は「無為」について理解する。 『老子』のいうところの「無為(または無為自然)」は何もしないということではなく、「あるがままに生きる」と解されることが多いらしい *1。 『老子』を自己啓発書として読むだけなら上の…
最終目的は「無為自然」が何なのかを書くことだが、段階を追って書いていく。 この記事では「無」について。 『老子』の「無」への言及 「無用の用」は『荘子』の思想 再び『老子』の中の「無」へ 『老子』の「無」への言及 三十本の輻(や)を轂(こしき)…
前回と対になる記事。 前回は「道」について書いたので、今回は「徳」について。 「徳」について 「徳」の重要性 「徳」について 儒学でいう「道徳」の中心は「道」であるそこでは「道」が「為すべきこと」であって、「徳」はそれを担う品性という二次的な意…
以前にも書いたが、『老子』は『道徳経』とも呼ばれる。この「道徳」は倫理的な意味のそれではなく、以下の理由により名付けられた。 『老子道徳経』は5千数百字(伝本によって若干の違いがある)からなる。全体は上下2篇に分かれ、上篇(道経)は「道の道と…
『老子』の構成 時代背景 内容について キーワード 『老子』の構成 『老子』は『道徳経』あるいは『老子道徳経』とも呼ばれる。 『老子道徳経』は5千数百字(伝本によって若干の違いがある)からなる。全体は上下2篇に分かれ、上篇(道経)は「道の道とすべ…
著書の『老子』は本来は『道徳経』と呼ばれるものだが、ここでは一般に通じている『老子』で一貫する。 なお、このブログでは書物の老子は二重括弧で、人物の老子は括弧なしで表記する。 成立時期 著者について 成立時期 『老子』(=『道徳経』)は春秋時代…
今回は道家について。 道家について 道家の形成 特徴・特色 道家について 道家は諸子百家の一派でその代表は老子と荘子。その思想は老荘思想とも言われる。他には列子も道家に含まれるらしい。 『論語』学而篇や『荀子』勧学篇は、学問の重要性を説く。それ…