歴史の世界

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

諸子百家のまとめ①(諸子百家について/儒家)

これまで、諸子百家のうち、儒家、墨家、兵家、道家、法家について書いてきた。今回からそのまとめを書く。 この記事では諸子百家と儒家について重要なキーワードを紹介する。 諸子百家について 諸子百家は「十家」 斉の臨淄:諸子百家の中心地 儒家 孔子は…

法家(11)韓非子(『韓非子』とその後の中国史)

秦帝国 韓非の死後、秦の国王嬴政と丞相李斯が中華統一を果たす。秦帝国は李斯の指揮の下で法家の政治をもって全国を統治した。 しかし始皇帝を継いだ二世皇帝 *1 胡亥は凡愚な皇帝で『韓非子』の法術を使いこなす能力は無く、暗君でも国政を維持できるほど…

法家(10)韓非子(「一個人」を考慮しない思想)

『韓非子』は、神秘主義・理想主義を排除して、現実主義の立場を採った。この時、『韓非子』は「人は利で動く」という人間観を採用した結果、人間の一人ひとりの理性や能力に期待することを頭の中から排除した。 『韓非子』は一貫して君主の立場に立って考え…

法家(9)韓非子(『韓非子』の人間不信について)

『韓非子』の人間不信については《人主の患は、人を信ずるにあり。人を信ずれば則ち人に制せらる》(備内篇)の言葉を引用して説明を済ませることもできるが、この記事ではもう少しだけ深堀りして見ようと思う。 『韓非子』はどうして「人間不信」に至ったの…

法家(8)韓非子(『韓非子』の「徳」/「徳」の原義)

諸子百家のシリーズで「徳」に関する記事を何個か書いたが、今回やっと納得できた気がする。 『韓非子』の「徳」にからめて書いていこう。 諸家の「徳」 「徳」の原義 諸家の「徳」 現代の日本では「徳」は儒家が唱えた概念、つまり「仁愛にもとづく人倫道徳…

法家(7)韓非子(儒家との比較 -- 「矛盾」と「守株」)

「矛盾」と「守株」は『韓非子』由来の言葉。 この2つの言葉は儒家を批判する文章の中から生まれた。 この記事では2つの言葉をもって『韓非子』が儒家に対してどのような批判をしたのかを見ていく。そこに儒家と法家の違いが見えてくる。 「矛盾」 守株 「…