歴史の世界

中国_中国人論・中国論

「中国人論・中国論」カテゴリーの主要な参考図書およびウェブサイト

「中国人論・中国論」シリーズ終了。 コラム的に1つの記事として書こうと思ったがこんなに長くなってしまった。 まあ、これから中国史を勉強するにしても、現代の国際政治を考えるにしても中国人の行動様式を知っておくことは有用だとは思う。 この記事では…

【中国人論・中国論】平等思想が無いか希薄 ―人間関係から外交の話。

【中国人論・中国論】のカテゴリーの中で中国人社会の人間関係について書いてきた。 「法治」が通用しない弱肉強食の中国社会では、人間関係が全てだ。 平等思想が無いか希薄 人間関係には、宗族(氏族・大家族)、幇(互助組織、秘密結社)、同郷組織、同業…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その6 文を尊び武を卑しむ

「文尊武卑」。中国の性質と言われている。これに関する大隈の日中の比較の論も紹介する。 それと最後におまけとして、現在の日中の状況を書き留めておこう。 閭右と閭左 「文→虚飾」「武←質」 武強で亡ぼしても、文弱に征服される 大隈の日本観 おまけ:現…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その5 中華思想

この記事では中華思想について書く。 中華思想 自国の実態 朝貢の実態 中華思想が引き起こした悲劇 おまけ:日本にもあった中華思想 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者: 大隈重信,倉山満出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2016/09/02…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その4 道学(老子)について

道学について 中国史における法治国家 道学と道教 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者:大隈重信出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2016/09/02メディア: 単行本 この記事では、上の本を元に大隈の道学観を書いていく。 道学について 道…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その3 儒教について

儒教について大隈がどのように説明しているのかを書く。 儒教の要点「仁」 「礼」と後代の儒家 孔子と支那への批判 変わり果てた儒教 大隈重信と岡田英弘の「儒教観」は同じ 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者: 大隈重信,倉山満出…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その2 同時代の支那の動きを踏まえて

まず、大隈と同時代の清国の歴史を振り返る。そのあとに大隈がそれを見てどのような中国観を持ったのかを見ていこう。 大隈重信、中国人を大いに論ず 現代語訳『日支民族性論』作者: 大隈重信,倉山満出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2016/09/02メディア: 単…

中国論② 大隈重信の『日支民族性論』 その1 大隈が本を出す原因となった「対華二十一カ条の要求」

大隈重信が『日支民族性論』という中国論本を出している。この記事ではまず、大隈がなぜ本を出版する気になったのかを書いていこう。 この記事では、大隈が本を出す原因となった「対華二十一カ条の要求」について書く。 「対華二十一カ条の要求」 第5号 大…

中国論① 福澤諭吉の『脱亜論』

(この記事は中国論というより、なぜ福澤が『脱亜論』を書くに至ったのか、が主題。) 日清戦争の10年ほど前、福澤は朝鮮の独立と近代化に傾注していた。しかし彼が支援していた朝鮮独立党(開化派)のクーデターが失敗に終わり、朝鮮政府が彼らとその親族の…

中国人について⑥ 人間関係 その5 面子について

中国人論の重要な要素の一つ「面子」について書いていなかったので、ここで書いておこう。 [(面子は)中国精神の綱領であるから、これをつかみさえすれば、ちょうど24年前に弁髪を引っこぬいたのと同じように、身体全体も一緒にくっついて来る」と辛亥革命…

中国人について⑤ 人間関係 その4 人間関係と権力/デメリット

前回まで、日本人の学者の本に頼って中国人について書いてきたが、今回は現代の中国人が書いた本*1に頼って書いていく。 中国における人間関係/平等は無いか希薄 人間関係と権力 友人を持つデメリット おまけ 私が参考にした日本人学者は幇や宗族という用語…

中国人について④ 人間関係 その3 二重規範と共同体

中国人社会を説明するために「二重規範」という用語を使ったほうがいいと思い、書いてみた。 二重規範と共同体 中国の共同体と「事情変更の原則」 二重規範と共同体 二重規範はダブルスタンダードと解されることがあるが、違う。 ダブルスタンダードは二枚舌…

中国人について③ 人間関係 その2 幇(パン)と情誼(チンイー)

前回、宗族について話したが、今回は「幇(パン、ほう)」について。中国語では「帮会(パンフェ)」。 幇を一言で表せば「義兄弟」。ただし、この関係は宗族よりも、本当の兄弟よりも繋がりが強いと定義する人もいる。小室直樹著『小室直樹の中国原論』*1で…

中国人について② 人間関係 その1 宗族

中国の人間関係の一部「宗族」のことについて書く。 宗族とは何か 血縁集団の利点 宗族の歴史 宗族と地域社会 石平先生に学ぶ宗族 参考になる動画 宗族とは何か 宗族とは《父系血縁集団+部外婚制》である。氏族(共通の祖先を持つ血縁集団*1 )の一種。 父…

中国人について① 中国人社会は日本人社会とは全く別物

私自身は中国人との付き合いが全く無いので、書籍その他に頼って書いてみよう。 いくつかの記事に分けて書いていく。 今回は、「中国人社会は日本人社会とは全く別物」「中国人社会は弱肉強食」「中国人はなぜウソをつくのか」という話をする。 しかし「中国…

「中国人論・中国論」シリーズを書く

この記事は、実際は「中国人論・中国論」シリーズを書き終わった後に書いている。 こんなに多数の記事を書くつもりはなかったが、これから中国史を勉強するにしても、現代の国際政治を考えるにしても中国人の行動様式を知っておくことは有用だ、と思って長々…