歴史の世界

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

エジプト文明:先史⑦ ナブタ・プラヤ 前編

ナブタ・プラヤ遺跡(Nabta Playa)は、「緑のサハラ」時代のサハラ・サヘルにおける最も有名な遺跡だ。後世のエジプト文明の起源とも言われているが、確実な証拠はない。 「緑のサハラ」については、記事「エジプト文明:先史① 緑のサハラ 」参照。 主な参…

エジプト文明:先史⑥ 土器の出現

土器が初めて作られた場所は日本を含む東アジアだが、二番目はアフリカ、サハラ・サヘルだそうだ。 この記事はサハラ・サヘルにおける土器の誕生とその後の話(日本・東アジアの土器については別の機会にやろう)。 アフリカ最古の土器(西アフリカ・マリ) …

エジプト文明:先史⑤ アフリカにおけるウシの家畜化

以前は農耕・家畜ともに西アジアから流入してきたとされていたが、ウシに関してはアフリカで独自に家畜化されたとする説が出てきた。 この記事ではウシの家畜化と牧畜の状況・環境・その後について書く。 家畜と家畜化 ウシの家畜化について アフリカのウシ…

エジプト文明:先史④ タッシリ・ナジェール

今回はタッシリ・ナジェールについて書いていこう。 タッシリ・ナジェールは「緑のサハラ」の代表的な遺跡で世界遺産にも登録されている。 タッシリ・ナジェールとは 先史時代に描かれた絵について タッシリ・ナジェールの絵の変遷 紀元前10000-6000年 紀元…

エジプト文明:先史③ 「緑のサハラ」時代の生活環境

砂漠と雨の関係 現代のサハラ・サヘルの環境 以下の引用は現代を含むサハラまたはサヘルの環境の一部を描写している。 「緑のサハラ」はサヘル地帯が拡大したと考えれば、現代のこの地域の環境を理解が「緑のサハラ」の環境に結びつくだろう。 砂漠は巨大な…

エジプト文明:先史② 「緑のサハラ」の先史

前回は地理方面の話をしたが、今回は考古学方面の話を書こう。 考古学の時代区分のおさらい 後期旧石器時代 第8章で言及した地名を含むサハラ砂漠とエジプトの地図 出典:ブライアン・フェイガン/古代文明と気候大変動/河出書房新社/2005(原著は2004年…

エジプト文明:先史① 緑のサハラ

エジプト文明が誕生するより数千年前、サハラ砂漠は今よりも湿潤で動植物が多く生息していた。この環境と時代を「緑のサハラ」と表現することがある。 この記事では、ナイル川周辺が砂漠で覆われるより前の北アフリカについて「緑のサハラ」について書いてい…