2024-01-01から1年間の記事一覧
清教徒革命=ピューリタン革命。清教徒革命は市民革命のひとつと言われているので近代の出来事だと認識していたが、「近代はフランス革命あたりから」という区分を採用しているため、イギリスの2つの革命、清教徒革命と名誉革命は近世として扱うことにする…
エリザベス1世の治世はテューダー朝の一人。なのでいちおう絶対王政のひとりだ。"黄金時代"とか"全盛期"と言われる治世だが、テューダー朝自体が大したことのない小国だったため世界史的にも大した影響力はない。 エリザベス1世については、個人的にはそれほ…
世界史の中のヨーロッパ近世において、「イギリス」と書かれているものはイングランド王国のことだ。15世紀のブリテン島はイングランド王国とスコットランド王国に分かれている(ウェールズはイングランドの支配下にある)。 イングランド王国はフランス国内…
フランスの全盛期はリシュリューとマザランの2人の宰相が、三十年戦争のドサクサに紛れて土台を作り、ルイ14世が政治を執った。余談になるが、「太陽王」と呼ばれるのは全盛期の王を表すのではなく、バレエの舞台で太陽神アポロンの衣装を着ていたからだそ…
近世オランダの独立までは「オランダ独立戦争」についてのいくつかの記事で書いた。 ここでは、簡単なおさらいとその後の略史を書いていく。 経済急成長の理由 インド・アメリカ大陸との貿易 オランダ東インド会社 西インド会社 衰退の原因 中央集権化の失敗…
今回は国際法について。 国際法におけるウェストファリア体制の解釈 政教分離--キリスト教の規範では戦乱は収まらない 帝国からの領邦主権国家の独立 主権国家の対等(並立) 国際法とは? グロティウス『戦争と平和の法』 自然法思想 区別するということ 「…
勢力均衡 勢力均衡 主権国家のことは書いた。国際法より先に勢力均衡のことを書こう 勢力均衡については以下の記事でも書いた。 rekishinosekai.hatenablog.com 勢力均衡=バランス・オブ・パワーの「原理」は、近世ヨーロッパで出てきたものだ。具体的な現…
ウェストファリア体制/主権国家体制に関する歴史用語とそれに関する歴史の流れを書く。 封建社会から絶対王政へ 主権と王権神授説と主権国家 絶対王政の政治のしくみ 各国の実情 重商主義 まとめ:政教分離 封建社会から絶対王政へ 中世の後半から末期あた…
「ウェストファリア体制=主権国家体制」とすると異論が多そうだが、「ウェストファリア体制= "近世の"主権国家体制」とすれば異論は少なくなりそうだ。 近世の主権国家は近代国家とまではいかないが、中世とは違う国家像が出来上がっていく。そんなわけで…
ウェストファリア条約は三十年戦争を終わらせるための講和条約。国際条約および国際法の始まりとされた条約として重要。ウェストファリア体制については次回書く。 和平交渉開始 内容と宗教的寛容と各国について 和平交渉開始 ウェストファリア条約は1648年…
前回からの続き。 2番目、3番目の戦争は外国からの干渉戦争だったが、4番目は国際戦争(ヨーロッパ大戦)だ。 デンマーク戦争(1625年 - 1629年) スウェーデン戦争(1630年 - 1635年) フランス・スウェーデン戦争(1635年 - 1648年) デンマーク戦争(1…
宗教戦争の最後で最大の戦争。ドイツ(神聖ローマ帝国)内の新旧宗派の対立から始まったが、他国の介入により拡大、全ヨーロッパに影響を及ぼした。 前史 プロテスタント同盟とカトリック連盟 皇帝たちの政治能力の欠如 戦争開始の直接のきっかけの事件 ボヘ…
前回からの続き。 開戦と内部分裂 オランダの「独立」の実情 劣勢から巻き返して休戦へ 貿易大国としての隆盛 戦争の再開と終戦 開戦と内部分裂 1568年にオラニエ公ウィレムが戦闘を開始したことを持って独立戦争(八十年戦争)が始まるとされる。ただし、オ…
オランダ独立戦争は八十年戦争とも呼ばれる。 スペイン領ネーデルラントが行った独立戦争。フェリペ2世の新教徒弾圧、重税政策などに反抗して1568年開戦。1579年、北部7州がユトレヒト同盟を結成して抗戦を継続し、1581年にネーデルラント連邦共和国を樹立し…
ユグノー戦争とは、フランスで起きた宗教戦争。「ユグノー」はフランスのカルヴァン派を指す言葉。語源は諸説あるらしく、よくわからない。 1562年~98年と一世代以上続いているので、複数の戦いを含み、主要人物も多い。 前史 宗教改革派の弾圧の始ま…
ルターの信仰は領主たち(為政者層)に受け入れられ、ローマ教会とは違う宗派すなわちルター派が確立した。宗教戦争は基本的に、為政者vs平民ではなく、為政者どうしの戦いを指すようだ。 宗教戦争とは? シュマルカルデン戦争 戦後の戦いとアウクスブルクの…
イングランド(イギリス)の宗教改革はルターやカルヴァンの場合とは全く異なる。だから本当は「宗教改革」と呼ぶにふさわしくない。 宗教改革のきっかけ 国王至上法 宗教改革のきっかけ きっかけになったのはヘンリー8世の離婚問題だ。この成り行きでロー…
対抗宗教改革は "反宗教改革"とも呼ばれる。ローマ教会側の宗教改革。 反宗教改革 キリスト教のプロテスタントによる宗教改革に対抗する、カトリック教会内部の革新運動。また、プロテスタントに対する宗教的・政治的反撃の運動。トリエントの宗教会議、イエ…
前回の続き。今回はカルヴァン。プロテスタントの中にも宗派があり、カルヴァン派はその一つ。 ツヴィングリとカルヴァン カルヴァンの神権政治 予定説 カルヴァン派の広がり ツヴィングリとカルヴァン ルターと同時代の宗教改革派にツヴィングリ(スイス)…
16世紀、ローマ=カトリック教会を批判したルターに始まるキリスト教の改革運動。1517年のドイツのルターの登場に始まるが、スイスやフランスのカルヴァンの活動など、西ヨーロッパ全域に広がり、封建社会の崩壊という社会変革と結びついて広がった。…
他国の台頭 北米 アジア ポルトガル・スペインの没落 他国の台頭 ポルトガルとスペインの後を追うようにヨーロッパ各国も大航海に乗り出した。 オランダ(ネーデルラント)がポルトガルの海外覇権を奪取し、英仏がこれを追い、この3国がポルトガルやスペイ…
ここからはスペインの活動。 ポルトガルと比較すると植民地経営の度合いが強い。 コンキスタドール(征服者)とエンコミエンダ制とその他の用語 スペイン領と黒人奴隷の関係:アシエント 海外事業の動き コンキスタドール(征服者)とエンコミエンダ制とその…
前回は探検活動を書いたが、今回は交易 OR 侵略・虐殺・収奪の歴史。 トルデシリャス条約 ポルトガルの活動 トルデシリャス条約 トルデシリャス条約 コロンブスの新世界(新大陸)到達による新領土「発見」を受け,1494年にスペインとポルトガルが大西洋の管轄…
前回からの続き。 エンリケ航海王子とポルトガル王室の"探検"事業 スペインによる"探検"事業 エンリケ航海王子とポルトガル王室の"探検"事業 大航海時代で最初に出てくる人名がエンリケ航海王子。彼はポルトガル王ジョアン1世の息子。エンリケはジョアン1…
「大航海時代」の名称 大航海時代の意味と終わりの時期 前史 「大航海時代」の名称 「大航海時代」は英語では「Age of Discovery」という。「ヨーロッパ人における地理上の発見」くらいの意味になるが、「発見される側」の日本人が「(地理上の)発見の時代…
ルネサンスと言えばまず紹介されるのが、ダンテの『神曲』やミケランジェロの『ダビデ像』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』などの文芸作品だが、政治史方面としては人文主義(ヒューマニズム)を理解しなければならない。 人文主義の最も重要な点は…
フランドル地方とその他の地域 人文主義とエラスムスと宗教改革の関係 フランドル地方とその他の地域 フランドル地方は現在で言えばベルギーあたり。毛織物業で栄えて文芸のパトロンになった。 音楽においてはルネサンス初期よりイタリアよりも盛んだった。…
ルネサンスの発祥の地はイタリア北部。商業発達を背景に文芸のパトロンとなる。 ルネサンス北部 フィレンツェとメディチ家 もう一つのパトロン代表格、ローマ教皇 ルネサンス北部 イタリア北部は、十字軍の頃から東方貿易(東地中海諸勢力との貿易)で栄えて…
近世の始まりはルネサンスから。 「ルネサンス」という用語の起源 「ルネサンス」という用語の意味合いの変化 「ルネサンス」の中核「人文主義(ヒューマニズム)」 ルネサンス・人文主義とローマ教会・キリスト教の関係 「個人」の発見 具体的な代表例 「ル…
ヨーロッパ近世に入る前に中世を簡単に書いておく。 近世以降において重要な事項を中心に取り上げる。 中世の始まりは西ローマ帝国滅亡から:ゲルマン人による文明の破壊 そもそも、古代ローマは「地中海文明」であり、「ヨーロッパ文明」ではなかった 中世…