歴史の世界

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

フランス全盛期 ルイ14世

フランスの全盛期はリシュリューとマザランの2人の宰相が、三十年戦争のドサクサに紛れて土台を作り、ルイ14世が政治を執った。余談になるが、「太陽王」と呼ばれるのは全盛期の王を表すのではなく、バレエの舞台で太陽神アポロンの衣装を着ていたからだそ…

近世オランダの盛衰(黄金時代)

近世オランダの独立までは「オランダ独立戦争」についてのいくつかの記事で書いた。 ここでは、簡単なおさらいとその後の略史を書いていく。 経済急成長の理由 インド・アメリカ大陸との貿易 オランダ東インド会社 西インド会社 衰退の原因 中央集権化の失敗…

ウェストファリア体制/主権国家体制④ 国際法

今回は国際法について。 国際法におけるウェストファリア体制の解釈 政教分離--キリスト教の規範では戦乱は収まらない 帝国からの領邦主権国家の独立 主権国家の対等(並立) 国際法とは? グロティウス『戦争と平和の法』 自然法思想 区別するということ 「…

ウェストファリア体制/主権国家体制③ 勢力均衡

勢力均衡 勢力均衡 主権国家のことは書いた。国際法より先に勢力均衡のことを書こう 勢力均衡については以下の記事でも書いた。 rekishinosekai.hatenablog.com 勢力均衡=バランス・オブ・パワーの「原理」は、近世ヨーロッパで出てきたものだ。具体的な現…

ウェストファリア体制/主権国家体制② 封建社会、絶対王政、主権と主権国家

ウェストファリア体制/主権国家体制に関する歴史用語とそれに関する歴史の流れを書く。 封建社会から絶対王政へ 主権と王権神授説と主権国家 絶対王政の政治のしくみ 各国の実情 重商主義 まとめ:政教分離 封建社会から絶対王政へ 中世の後半から末期あた…

ウェストファリア体制/主権国家体制① 

「ウェストファリア体制=主権国家体制」とすると異論が多そうだが、「ウェストファリア体制= "近世の"主権国家体制」とすれば異論は少なくなりそうだ。 近世の主権国家は近代国家とまではいかないが、中世とは違う国家像が出来上がっていく。そんなわけで…

宗教戦争⑦ 三十年戦争 その3 ウェストファリア条約

ウェストファリア条約は三十年戦争を終わらせるための講和条約。国際条約および国際法の始まりとされた条約として重要。ウェストファリア体制については次回書く。 和平交渉開始 内容と宗教的寛容と各国について 和平交渉開始 ウェストファリア条約は1648年…

宗教戦争⑥ 三十年戦争 その2

前回からの続き。 2番目、3番目の戦争は外国からの干渉戦争だったが、4番目は国際戦争(ヨーロッパ大戦)だ。 デンマーク戦争(1625年 - 1629年) スウェーデン戦争(1630年 - 1635年) フランス・スウェーデン戦争(1635年 - 1648年) デンマーク戦争(1…

宗教戦争⑤ 三十年戦争 その1

宗教戦争の最後で最大の戦争。ドイツ(神聖ローマ帝国)内の新旧宗派の対立から始まったが、他国の介入により拡大、全ヨーロッパに影響を及ぼした。 前史 プロテスタント同盟とカトリック連盟 皇帝たちの政治能力の欠如 戦争開始の直接のきっかけの事件 ボヘ…

宗教戦争④ オランダ独立戦争 その2

前回からの続き。 開戦と内部分裂 オランダの「独立」の実情 劣勢から巻き返して休戦へ 貿易大国としての隆盛 戦争の再開と終戦 開戦と内部分裂 1568年にオラニエ公ウィレムが戦闘を開始したことを持って独立戦争(八十年戦争)が始まるとされる。ただし、オ…

宗教戦争③ オランダ独立戦争 その1 開戦までのあらすじ

オランダ独立戦争は八十年戦争とも呼ばれる。 スペイン領ネーデルラントが行った独立戦争。フェリペ2世の新教徒弾圧、重税政策などに反抗して1568年開戦。1579年、北部7州がユトレヒト同盟を結成して抗戦を継続し、1581年にネーデルラント連邦共和国を樹立し…

宗教戦争② ユグノー戦争

ユグノー戦争とは、フランスで起きた宗教戦争。「ユグノー」はフランスのカルヴァン派を指す言葉。語源は諸説あるらしく、よくわからない。 1562年~98年と一世代以上続いているので、複数の戦いを含み、主要人物も多い。 前史 宗教改革派の弾圧の始ま…

宗教戦争① 概要とシュマルカルデン戦争

ルターの信仰は領主たち(為政者層)に受け入れられ、ローマ教会とは違う宗派すなわちルター派が確立した。宗教戦争は基本的に、為政者vs平民ではなく、為政者どうしの戦いを指すようだ。 宗教戦争とは? シュマルカルデン戦争 戦後の戦いとアウクスブルクの…

宗教改革③ イングランドの宗教改革

イングランド(イギリス)の宗教改革はルターやカルヴァンの場合とは全く異なる。だから本当は「宗教改革」と呼ぶにふさわしくない。 宗教改革のきっかけ 国王至上法 宗教改革のきっかけ きっかけになったのはヘンリー8世の離婚問題だ。この成り行きでロー…

対抗宗教改革

対抗宗教改革は "反宗教改革"とも呼ばれる。ローマ教会側の宗教改革。 反宗教改革 キリスト教のプロテスタントによる宗教改革に対抗する、カトリック教会内部の革新運動。また、プロテスタントに対する宗教的・政治的反撃の運動。トリエントの宗教会議、イエ…

宗教改革② カルヴァン

前回の続き。今回はカルヴァン。プロテスタントの中にも宗派があり、カルヴァン派はその一つ。 ツヴィングリとカルヴァン カルヴァンの神権政治 予定説 カルヴァン派の広がり ツヴィングリとカルヴァン ルターと同時代の宗教改革派にツヴィングリ(スイス)…

宗教改革① ルター

16世紀、ローマ=カトリック教会を批判したルターに始まるキリスト教の改革運動。1517年のドイツのルターの登場に始まるが、スイスやフランスのカルヴァンの活動など、西ヨーロッパ全域に広がり、封建社会の崩壊という社会変革と結びついて広がった。…

大航海時代⑤ 大航海時代の終わり

他国の台頭 北米 アジア ポルトガル・スペインの没落 他国の台頭 ポルトガルとスペインの後を追うようにヨーロッパ各国も大航海に乗り出した。 オランダ(ネーデルラント)がポルトガルの海外覇権を奪取し、英仏がこれを追い、この3国がポルトガルやスペイ…

大航海時代④ スペインの主要な活動

ここからはスペインの活動。 ポルトガルと比較すると植民地経営の度合いが強い。 コンキスタドール(征服者)とエンコミエンダ制とその他の用語 スペイン領と黒人奴隷の関係:アシエント 海外事業の動き コンキスタドール(征服者)とエンコミエンダ制とその…

大航海時代③ ポルトガルの主要な活動

前回は探検活動を書いたが、今回は交易 OR 侵略・虐殺・収奪の歴史。 トルデシリャス条約 ポルトガルの活動 トルデシリャス条約 トルデシリャス条約 コロンブスの新世界(新大陸)到達による新領土「発見」を受け,1494年にスペインとポルトガルが大西洋の管轄…

大航海時代② 大航海時代の始まり:主役はポルトガルとスペイン

前回からの続き。 エンリケ航海王子とポルトガル王室の"探検"事業 スペインによる"探検"事業 エンリケ航海王子とポルトガル王室の"探検"事業 大航海時代で最初に出てくる人名がエンリケ航海王子。彼はポルトガル王ジョアン1世の息子。エンリケはジョアン1…