歴史の世界

ルネサンス④ ルネサンス まとめ

ルネサンスと言えばまず紹介されるのが、ダンテの『神曲』やミケランジェロの『ダビデ像』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』などの文芸作品だが、政治史方面としては人文主義ヒューマニズム)を理解しなければならない。

人文主義の最も重要な点は、古代ギリシア・ローマの古典研究によって「思考の枠」を広げることである。

「思考の枠」とは、ものの考え方とか常識とか固定観念とか世界観・価値観の類のものだ。中世においては神学者や聖職者たちの言う事(そのトップはローマ教会)を頼って、人びとの「思考の枠」が形成されていた。これが人文主義者が古典から知識を得るようになって、ローマ教会に頼らない「思考の枠」を形成する手段を得た。

こうして、前回も書いたことだが、人文主義により、ローマ教会所属の聖職者とは別のシンクタンク(大学を中心とする学者集団とその支持者たち)がヨーロッパ全土に形成され、宗教改革や、科学と経済の発展につながっていった。