歴史の世界

中国文明:中国の地理② 地形・気候

大まかな地形

中国の地形は「西高東低」である。西にチベット高原があり、東に平原があり、その中間の高さの山地・盆地・高地(高原)がある。

下の地図は3つの高さ(階梯)の説明。

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西部の第一階梯は、4000万年前に始まるインド・プレートの衝突によって上昇した標高4000メートル以上のチベット高原とその周囲の山脈郡から成る。中間の第二階梯は、チベット高原と周囲の平原部のあいだに位置し、標高2000から1000メートルへと降下する起伏に富んだ地形で、内蒙古高原、黄土高原、四川盆地、雲貴高原、タリム盆地などから成る。東部の第三階梯は、標高1000メートル以下の丘陵と標高200メートル以下の平原地帯で、東北平原、華北平原、長江中・下流平原、東南沿海部などから成る。

出典:世界歴史体系 中国史1 先史~後漢山川出版社/2003/p4(西江清高氏の筆)

「文化」を分ける南北に連なる3つ山系

山系とは「互いに近接した複数の山脈が全体で一つの系統をなしているもの」*1

上で引用した西江清高氏によれば(p3、p6)

  • 北緯40°以北にある天山ー陰山ー燕山山脈の山系
  • 北緯35-32°付近の秦嶺ー大別山脈の山系
  • 北緯25°付近の南嶺の各山系

天山ー陰山ー燕山山脈は、いわゆる長城地帯にあたり、農耕と遊牧地帯を分ける。歴史的に言えば、中国文明の内外を分けた。

秦嶺ー大別山脈は、北部の畑作地帯と南部の水田地帯を分ける。

ただし、「秦嶺ー大別」の線よりも「秦嶺ー淮河」の線の方が有名で(秦嶺・淮河線 - Wikipedia参照)、この線は「ちょうど年間降水量1000mmの等量線」になっている。

淮河は大別の北に並行して流れている。

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中国の農業地域
降水と低平な地域に恵まれた南東部以外の、黄土高原や沙漠周辺でも灌漑水路などの整備によって、工芸作物だけでなく穀物生産も。ただし、これが黄河など、河川の断流を生む一因ともいわれる。

出典:よくわかる地理―授業の理解から入試対策まで (MY BEST) /学研教育出版/2013/p131

さらに、「南船北馬」の文化的景観の境界もこの線だ。

さらにさらに、華北と華中の境界線の役割もある。ただし華北ー華中の境界線は、公式に規定されているわけではなく、学者・学派で色々なバリエーションがある。それでも「秦嶺ー淮河」の線は華北ー華中の境界線を決める重要な線であることは間違いない。

南嶺の各山系は、上の図の「華中」と「華南」を分ける。両方とも稲作地域だが、華中は温暖湿潤、華南は熱帯・亜熱帯的で高温多湿で二期作を行うところもある。

気候区分

以上のことを踏まえて、気候を見ていこう。

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出典:よくわかる地理/p120

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ケッペンの気候区分
月平均気温と降水量によって5つの気候帯に分け、さらに細かい気候区に区分する。

出典:よくわかる地理/p52

1つ目のアルファベットは「アフリカからヨーロッパにかけて気候帯の分布の順番」。

2つ目の文字は「その気候区を特徴づける景観のドイツ語の頭文字(ドイツ語では名詞は必ず大文字で始まる)」

S:ステップ(Steppe)
W:沙漠(Wüste)
T:ツンドラ(Tundra)
F:氷点下(Frost)

上の中国の気候区分図で「高山気候」という用語があったが、この用語はケッペンの気候区分には無い区分。

高山気候 - Wikipedia」によれば、中国の高山気候は「温帯高山気候」にあたるようだ。

低緯度地帯では標高による気温の低減率に従って気温が低下し、概ね標高 2000m 以上の高地はケッペンの気候区分では寒冷帯(E)の気候区分に属することになる。2000m以上のチベット高原はET、東西に挟まれた第二階梯(1000~2000mの地域)はCwとなっている。

中国の自然地理区分

下の図は地理区分の一例。上で書いたとおり、統一されていない。学者・学派によって様々だ。

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出典:小澤正人・谷豊信・西江清高/中国の考古学/同成社/1999/p5

中国本土(シナ)は大きく分けて、華北・華中・華南。ただし、この3つの中央には、上述の第一・第二階梯の境界線が東西に分けている。東西で気候が違う。