歴史の世界

2025-01-01から1年間の記事一覧

プロイセンの歴史② 独立から強国へ

ブランデンブルク=プロイセン公国の成立 フリードリヒ・ヴィルヘルム (ブランデンブルク選帝侯) 税制改革と軍備拡張 従属からの独立 プロテスタントの流入で人口拡大 ブランデンブルク=プロイセン公国の成立 前回はブランデンブルクとドイツ騎士団領(プロ…

プロイセンの歴史① プロイセンの源流:ブランデンブルク辺境伯領とドイツ騎士団領

近代まで活躍したプロイセンの歴史を書いていく。ナポレオン帝国の終わり、ウィーン体制が始まる直前まで書くつもり。 大変参考になった動画↓ 【ゆっくり解説】プロイセン王国 - YouTube この動画を見て理解できたらこの記事を読む意味はない。 ブランデンブ…

エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』読書ノート⑧ 本文 その3

パリの強さはシステム全体の弱さのあらわれ(9章~) 政治に必要なものをほぼすべて破壊し、頼れるのは軍隊だけになる(12章) 徳について(13章ほか) 政治家の基本的技能(13章) フランスの不幸とイングランドの幸福(13章) パリの強さはシステム全体の…

エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』読書ノート⑦ 本文 その2

国家・社会と宗教の関係(4章) 歴史の政治利用(6章) 財産、財産権の話(5章~) いまある素材を活用するのが政治家の商いである(7章) 壊す迷信より築く迷信を選ぶほうがいい(7章) 立法者には鋭い感性と慎重な歩みがもとめられる(7章) ルソー…

エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』読書ノート⑥ 本文 その1

「権利宣言」について(2章) 「権利宣言」は2章に出てくる。この「権利宣言」は「権利章典」のことだ。 日本で教えられるイギリス史において権利宣言と権利章典はほぼ同じだ(と思う)が区別されるものだ。 「権利宣言」は名誉革命の時に議会が先王ジェー…

エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』読書ノート⑤ 訳者二木麻里氏による解説

フランス革命についての省察 (光文社古典新訳文庫)作者:エドマンド・バーク光文社Amazon 原著の『省察』は章立てしていないが、この訳書はしている。さらに小見出しもついている。非常に助かる。 巻末にある訳者の解説は本編より数段読みやすいので、こちら…

エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』読書ノート④ 予習 その3

第6回前編 ブリテン島と日本列島との勢力合併(?)の比較 朝鮮文化について 日本の統治下の朝鮮の神社建設について 再び両班の話 八紘一宇の話 日本国内の文化の共有について 第6回後編・第7回前編 第7回後編 「自由で開かれたインド太平洋」の国内版「自由で…

エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』読書ノート③ 予習 その2

第3回前編 国王一家亡命未遂事件 第3回後編 人権について 理想を押し付けるフランス革命政府 第4回前編 財産権・私有財産の重要性 財産権・私有財産と日本の歴史 明治時代にフランス革命政府のようにならなかったのはなぜか。 第4回後編 歴史の話 第5回…

エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』読書ノート② 予習 その1

第1回 言語の意味合い、時代背景の現代と当時の違い 当時のヨーロッパの王様と国家とコモン・ロー ルソーとバークの違い 「理性万能」の危険性 コモン・ローを破壊せずに改革する 第2回前編 ルソーの影響力 身分制の破壊を促すルソーの考え 政治の議論の場…

エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』読書ノート① エドマンド・バークって誰?

今回から、エドマンド・バーク『フランス革命についての省察』の読書ノートを書いていく。 訳書は以下の本↓ フランス革命についての省察 (光文社古典新訳文庫)作者:エドマンド・バーク光文社Amazon エドマンド・バークって誰? 『フランス革命の省察』を出版…

ナポレオン時代⑤ 戦争史以外について

ナポレオン時代はほとんど戦争史になってしまったので、ここでは統領政府も帝政もまとめて、戦争史以外の話を書いていく。 ナポレオンの内政について ナポレオンと現代フランス政治の関係 軍事史におけるナポレオンの前と後 ナポレオンの内政について XのGro…

ナポレオン時代④ 支配圏最大期から崩壊へ

最大勢力図 ロシア遠征(失敗) 第六次対仏大同盟、ナポレオンの退位 百日天下とナポレオン大戦争と第二次百年戦争の終わり 最大勢力図 1811年時点の最大勢力図 出典:ナポレオン・ボナパルト - Wikipedia 赤茶色:フランス帝国(フランス及び直轄領) 濃い…

ナポレオン時代③ 大陸封鎖とナポレオンの支配拡大

大陸封鎖令 ティルジットの和約(普露の敗北) オランダ支配 イタリア支配 スペイン・ポルトガル・第五次対仏大同盟 大陸封鎖令 1806年11月、ナポレオンはわざわざベルリンに入城して大陸封鎖令を発布した(ベルリン勅令ともいう)。 1806年、ナポレオン…

フランス革命 《特別編》 フランス革命戦争(2/2)

前回からの続き。 徴兵制度 革命軍の勝利、同盟軍の敗北 第二次対仏大同盟 徴兵制度 このような戦線の拡大に対して国民公会は戦時体制、兵力の確保に迫られた。1793年2月21目の正規軍と義勇兵の統合(アマルガム法という)に始まり、2月24日には「…

フランス革命 《特別編》 フランス革命戦争(1/2)

フランス革命戦争について書くのを忘れていたので、ここで書く。 フランス革命戦争の期間 フランス革命に他国が干渉する理由 開戦 第一次対仏大同盟 フランス革命戦争の期間 後述の開戦より1799年11月9日のナポレオン・ボナパルトの第一統領就任まで。それ以…

ナポレオン時代② 第一帝政とナポレオン戦争

ナポレオンが皇帝になると、第一帝政と呼ばれる歴史区分となる。この期間は諸外国との戦争と政争の話でほぼ埋まる。ナポレオン戦争は1796年が始まりとされるが、これのメインはやはり皇帝になってからのナポレオンの大戦争になるだろう。 戴冠式と面従腹背の…

ナポレオン時代① クーデタから統領政府へ

時代区分について ナポレオンとブリュメール18日のクーデタ 統領政府(1799年12月-1804年) 1800年 1801年 1802年 1804年 時代区分について フランス革命 終わりの年は1799年11月9日(共和暦8年ブリュメール18日)。ナポレオンがクーデターで実権を奪った、…

フランス革命⑨ その他

前回まで時系列でフランス革命を見たが、最後にこれまで書かなかったことと強調しておきたいことを書いて終わりにしよう。 フランス革命自体は当時のフランスの人々の生活を破壊し続けた暴力革命だったが、彼らが初期に発布した人権宣言などの思想は後世に大…

フランス革命⑧ 年表で見るフランス革命 1796年

1796年 1797年 1798年 1799年 1796年 3月10日:アッシニア廃止 3月18日:総裁政府、地券(マンダ・テリトリオ)を発行[注 63 「土地手形」や「土地証券」などとも訳す。ハイパーインフレに陥ったアッシニアを回収するための政策で、再び土地と交換する新紙幣…

フランス革命⑦ 年表で見るフランス革命 1795年 総裁政府成立

1月19日:フランス軍、オランダ・アムステルダムを無血占領 1月31日:外国貿易禁止撤廃 2月9日:トスカーナ大公国と中立条約 2月21日:国民公会、「信仰の自由」を宣言 3月8日 : ジロンド派復活 4月1日 : ジェルミナル暴動 4月5日:プロイセンと和平条約(バ…

フランス革命⑥ 年表で見るフランス革命 1794年 ロベスピエールの処刑

1月19日 : イギリス軍、コルシカ島に上陸 2月4日 : プリュヴィオーズ16日法(2月4日の法令)可決(全フランス植民地での黒人奴隷制廃止。ただしフランス本土で奴隷制完全廃止がなされたのは1948年) 2月26日 : ヴァントーズ法可決(反革命容疑者の全財産を没…

フランス革命⑤ 年表で見るフランス革命 1793年 ロベスピエールの独裁

1793年は、いよいよフランス革命の代表的人物ロベスピエールのジャコバン派独裁が始まる。 1793年 1793年 1月21日 : 国王ルイ16世処刑 2月1日 : 国民公会、イギリス・オランダに宣戦布告 2月13日 : オーストリア・プロイセン・イギリス・スペイン・オランダ…

フランス革命④ 年表で見るフランス革命 1792年:共和政へ

前回からの続き。少しおさらいを書く。 念願の憲法を制定し、立憲君主政をスタートさせた。しかし、この体制が始まる前から議会は(イギリスをお手本にしようとする)立憲君主政派と(アメリカのように挑戦しようとする)共和政派の間で主導権争いが行われて…

フランス革命③ 年表で見るフランス革命 1789-1791:立憲君主政へ

前回は国王処刑まで書いた。いよいよ共和政の話…かと思いきや、その前に立憲君主政になっていた、というのが今回の話。 立憲君主政の話はフランス革命の中ではあまり重要ではないとは思うが、共和政への過程として押さえておきたい。ついでに興味深い出来事…

フランス革命② 人権宣言と国王処刑

人権宣言の光と影 国王の処刑までの話 バスティーユ牢獄襲撃事件の顛末 ヴェルサイユ行進 ヴァレンヌ逃亡事件とフランス革命戦争 8月10日事件と国王一家の処刑 フランス国家ラ=マルセイエーズ 人権宣言の光と影 他の「人権宣言」と区別するために「フラ…

フランス革命① アンシャン・レジームの崩壊

フランス革命は世界史レベルの大きな画期だ。すなわちヨーロッパが近世から近代に変わる画期。 フランス革命の範囲とあらすじ バスティーユ牢獄襲撃事件までの話 大恐怖 アンシャン・レジームの崩壊と暫定的な新体制 フランス革命の範囲とあらすじ 1789…

フランス革命前史② ルイ16世

ルイ16世はフランス革命の動乱の中で処刑される国王だが、彼自身は国を立て直そうとした"暗君ではない"国王だった。国政に失敗してしまったが、処刑されるほどのことはしていない。 アメリカ独立戦争の勝者? 財政改革の失敗 マリー・アントワネット アメリ…

フランス革命前史① ルイ15世とジョン・ロー

ルイ14世からルイ15世へ ジョン・ローの経済政策 フランス初の紙幣発行 ミシシッピ計画 政府債務の転化 アンシャン・レジームたち その後 ルイ14世からルイ15世へ ルイ14世の晩年には多年の戦争による莫大な戦費のためにフランスの財政は破綻しかかっており…

科学革命から啓蒙思想へ⑥ ルソー(とその他の啓蒙思想家)への批判

批判の対象となるのは「理性」。「理性」は大陸合理論から啓蒙思想に継承されている。 「理性」については当ブログ記事《科学革命から啓蒙思想へ② イギリス経験論と大陸合理論の違い》で書いているのでそちらを参照。 ルソーへの批判 保守の立場 「万能なる…

科学革命から啓蒙思想へ⑤ 啓蒙思想の有名人

モンテスキュー ヴォルテール ルソー 社会契約説におけるルソーとロックの違い その他 モンテスキュー 著書『法の精神』で有名。 18世紀前半のフランス啓蒙思想を代表する思想家。[中略] その書において、イギリス議会制度を範としながらロックの社会契…