歴史の世界

【地政学】チョークポイントと拠点

チョークポイントと拠点。地政学で使われる用語。他分野でも使われる言葉だが、地政学ではどういった意味合いを持つのか?

チョークポイント

地政学者の奥山真司さんが以下の動画でチョークポイントについて説明している。

上の動画に付け足すことは実は無いのだが、動画が削除されることを考えて、書いておく。

まず、世界の代表的なチョークポイントは↓。

出典:奥山真司/サクッとわかる ビジネス教養  地政学/新星出版社/2020/p22

中東から日本に運ばれる石油はマラッカ海峡を毎日 通っており、ここを敵に封鎖されると日本は何もできなくなる。

「チョークポイント」とは、海路における重要な地点、要衝のこと。マラッカ海峡のように そこを通らなければ反対側に行けない場所のこと。

奥山氏によれば、世界の多くのチョークポイントは世界覇権国アメリカに握られている、とのこと。

アメリカはいざとなったらマラッカ海峡を封鎖できる。仮に日本とアメリカが戦争寸前まで関係悪化するようなことがあれば、アメリカの選択肢にマラッカ海峡封鎖というものが挙がってくる。

チョークポイントを握ることによって、他国を「低コストで」コントロールできる、というのが地政学の考えだ。

拠点

地政学において「拠点」という用語が一般的な意味とは他に、地政学においてどのような役割をもたせているのか?

あるエリアをコントロールするには、その付近に拠点をつくり、レーダーで監視したり、軍艦を駐屯するなどして影響力を保持します。

出典:同掲書/p26

日本の沖縄や横須賀はアメリカにとっての不可欠な拠点だが、西太平洋・東・東南アジアに対する影響力行使の他に、中東へ行くための中継基地(ロジスティクス)の役割などもある。

日本もアフリカのジブチに拠点を持っている当初はソマリア沖の海賊被害に対応するためだったが、現在は同様に駐屯している国々との意見交換、周辺国の情報収集なども行っており、なくてはならない拠点として恒久化したとのこと。さらにはこの地に中国も初の海外拠点を設置したため、中国の動向の監視も行っているという。

さらには、逆に、中国を含む各国も日本を行動を見ている。そういう意味では日本も影響力を行使していると言えなくもない。