歴史の世界

中国_諸子百家

墨家(2)思想実践、墨家の歴史

前回は墨家の基本思想について書いたが、今回は墨家の歴史について。 墨家は思想よりも歴史のほうが重要なのかもしれない。 創始者、墨子=墨翟 墨子の活動 二代目・禽滑釐と「質的変化」 三代目・孟勝 戦国中期~末期 墨家消滅 以下は浅野裕一著『雑学図解 …

墨家(1)基本思想

墨家の基本的な思想は「十論」と呼ばれる十個の主張からなっているが、その中でも有名な「兼愛」と「非攻」を先に書いていこう。その後に「十論」。 兼愛 非攻 基本思想(墨家十論) 兼愛 兼愛説【けんあいせつ】 中国,戦国時代の前4世紀の思想家墨子(ぼく…

儒家(11)荀子(性悪説/礼治主義/天人の分)

今回は荀子について。 荀子は、彼の語る「性悪説」と、韓非子や李斯(始皇帝の丞相)の師匠として有名だ。 荀子は趙の人、前4世紀末つまり戦国末期の人。「稷下の学」で有名な斉の学堂で祭酒(学長職)を努めたほどの人物だ。 後年は楚の蘭陵に移り、その長…

儒家(10)孟子(天命と易姓革命)

前回からの続きで今回も孟子について。 天命 天とは? 中国思想と天下 天命 易姓革命 天命 天命の概念は孟子が作った言葉ではないが、孟子の思想を知る上で重要なものだ。いや孟子だけではなく、中国の思想を知る上で重要。さらには日本の思想にも影響してく…

儒家(9)孟子(王道思想)

前回からの続きで今回も孟子について。 王道政治 王道と覇道について。 孟子は古今の君主を「王者」と「覇者」とに、そして政道を「王道」と「覇道」とに弁別し、前者が後者よりも優れていると説いた。 孟子によれば、覇者とは武力によって借り物の仁政を行…

儒家(8)孟子(性善説/四端説/五倫)

前回からの続きで今回も孟子について。 性善説 四端説 五倫 性善説 孟子と言えば性善説。 その名の通り、人間は生まれながらにして善であるという思想(性善説)である。 当時、墨家の告子は、人の性には善もなく不善もなく、そのため文王や武王のような明君…

儒家(7)孟子(仁義について)

今回は儒家の話をしようと思ったが、孟子について書くことが多くなってしまったので記事を数回に分けて書くことにする。 孟子その人について 仁義について 仁について 義について 仁義について 孟子その人について 孟子(前372?-289年)は戦国前期、小国の鄒…

儒家(6)孔子の死後の状況

儒教や孔子については以前に書いたので *1 、ここでは戦国時代の儒家について書く。 孔子の死後の弟子たちの動向 先進派と後進派 精神科学派と社会科学派 孔子の死後の弟子たちの動向 弟子たち及びそれらの弟子の系統は幾つかの派閥に分かれているが、ここで…

儒家(5)孔子(「天」と「仁」)

前回に引き続き、儒教における重要な要素を書いていく。 今回は「天」と「仁」。 「天」は孔子が儒教を作った時の重要な要素の一つ。 「仁」は儒教の最高の徳目と言われている。 「天」 「仁」 「孝弟なる者は、其れ仁の本為るか」(『論語』学而篇) 「仁」…

儒家(4)孔子(「礼」と「孝」)

儒教にとって、最重要の礼と孝を説明してみる。 「礼」とは何か 「礼」は孔子と儒家が創作した 「孝」:儒教における最重要な要素 礼と孝 礼と形式主義 「礼」とは何か 『礼記(らいき)』は中国古代王朝・周の礼の規定とその精神を雑記した書物で、49篇から…

儒家(3)孔子(「儒」の起源)

wikipediaから引用。 儒(じゅ)の起源については、胡適が「殷の遺民で礼を教える士」として以来、様々な説がなされてきたが、近年は冠婚葬祭、特に葬送儀礼を専門とした集団であったとするのが一般化してきている。 東洋学者の白川静は、紀元前、アジア一帯…

儒家(2)孔子(孔子の人生について)

孔子の人生については『史記』の孔子世家に書かれている。「孔子#生涯 - Wikipedia」は基本的に孔子世家をベースに詳述している。 世家は諸侯クラスの家柄の人物伝が書かれているカテゴリーなので、孔子がこのカテゴリーに入れられていることは司馬遷がそれ…

儒家(1)孔子(時代背景)

晋の「覇者体制」が崩壊して無秩序の世の中になった時、諸侯たちは新しい秩序を求めるようになった。その要請に答えたのが孔子であり儒家・儒教であった。 これより数回に亘って孔子および儒教について書いていくが、この記事では孔子が登場した時代背景を書…

諸子百家とは?

これから諸子百家について書いていく。儒家や墨家などは別の記事で書くとして、ここでは諸子百家とはなんぞやということについて書いていく。 諸子百家とは? 歴史 無秩序の時代(春秋末期~戦国初期) 百家争鳴、隆盛期(戦国中期) 百家争鳴の終焉(戦国後…