氷河期/氷期/間氷期などの用語は歴史上の気候変動を理解するために必要になるので、これらの言葉を理解するために記事にしておく。
「氷河期」という言葉と氷期/間氷期
ということで、「氷河期=氷期」。氷期というのは、上に書いてあるとおり「特に気候が寒冷で氷河が発達した時期」。ただし氷河というより氷床と言ったほうが正確だと思う(氷床=「大陸の全体を広く覆って発達する氷河。現在は南極大陸とグリーンランドにだけみられ、厚さ1000メートル以上ある。」*1)。
現在は氷床が南極とグリーンランドまで後退しているがこのような時期を「間氷期」といい、比較的温暖な時期と区分されている。現在の直近の氷期を「最終氷期」というがこの時期はヨーロッパ北部と北米大陸北部が氷床に覆われていた。
最終氷期の最寒冷期(LGM)における植生。灰色は氷床に覆われた地域
氷河時代
「氷河時代」という新たな用語の説明。
地球の大陸上に氷床があらわれる時代を氷河時代といい、氷河時代の中でも比較的寒冷な時期を氷期、比較的温暖で氷河がとけつつある時期を間氷期という。
「氷河時代」の対義語が「無氷河時代」でこの時期は地球上に(北極や南極にすら)氷河がない時代。恐竜が大繁栄していたジュラ紀や白亜紀などは無氷河時代だった*2。
大辞泉では「地球上の気候が寒冷となり、広範囲に氷床(大陸氷河)が発達した時代」*3と説明されているが、説明不足で誤解を招く説明だと思う。
もう一つ小さい区分「亜氷期/亜間氷期」
氷期もしくは間氷期が続く間に、更に細かな気候の変動が見られることがある。寒い時期を亜氷期 (stadial)、温暖な時期を亜間氷期 (interstadial) と呼ぶ。最終氷期終了前後から現在にかけてはヨーロッパの泥炭湿地で発見された花粉層序がしばしば用いられ、現在では最終氷期終了~後氷期にかけての気候変化を表現する際に幅広く使われている。
出典:氷河期<wikipedia
上の出典先によれば現在はサブアトランティック(亜間氷期。500 BCE-現在)という区分に入るそうだ(ただし欧州における区分)。ちなみに小氷期とよばれる歴史的に重要な時期はこのサブアトランティックの中での寒冷な時期になる。
現在の区分
現在はどのような時代区分に入るかというと以下のようになる。
となる。
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*2:中生代の生き物(恐竜・鳥・植物・昆虫)<第42回特別展大化石展 「この時代は気候がとても温暖で、南北両極地方にも氷床(氷河)が無い無凍結の時代が続きました。」