歴史の世界

メソポタミア文明:メソポタミア文明シリーズの主要な参考図書その他

メソポタミア文明」のカテゴリはウル第三王朝滅亡の前2000年頃までで終わり。この後は「オリエント世界」で書いていこう。

以下はこのカテゴリーで利用した主な参考図書。

前川和也編著/図説メソポタミア文明/河出書房(ふくろうの本)/2011

図説 メソポタミア文明 (ふくろうの本/世界の歴史)

図説 メソポタミア文明 (ふくろうの本/世界の歴史)

「ふくろうの本」シリーズは ある歴史をこれから学ぼう知ろうとしている人が手に取る本ではないのか?この本は前川氏の研究成果が前に出過ぎて、メソポタミア文明というのがどのような歴史なのか全体像が頭のなかに入らない。これからメソポタミア文明を探求しようとするヒトは別の本を読んだほうがいい。

ウルクの大杯」や「禿鷲碑文」などの個別の重要な遺物の知識は手に入った。

世界の歴史1 人類の起原と古代オリエント中央公論社/1998

人類の起原と古代オリエント (世界の歴史)

人類の起原と古代オリエント (世界の歴史)

先史時代から古代の前半くらいまでを扱っている。分厚い本だがメソポタミア文明を扱っている部分は少ない。

通史がコンパクトに まとめられているので、入門者はこの本から読んだらいいのではないか。メソポタミア文明の執筆部分は前川氏の筆だ。

1998年出版と古いが、大枠は変わらない。新しい知識は他の本でカバーすればいいだけだ。

小林登志子/シュメル/中公新書/2005

シュメル―人類最古の文明 (中公新書)

シュメル―人類最古の文明 (中公新書)

シュメール文明がどのようなものかを紹介する本だ。冒頭に書いてあるとおり、シュメール文明は現代社会の原点であり、この頃既に文明社会の諸制度がほぼ整理されていた、という。

ただしアッカド王初代サルゴンやウル第三王朝初代ウルナンムなど重要人物も押さえている。

この一冊でメソポタミアの全貌がわかるわけではないが、新書で読みやすい一冊に仕上がっていると思う。

ちなみに著者曰く、「シュメール」より「シュメル」という表記の方が原音に近いのでこちらを採用したとのこと。

小泉龍人/都市の起源/講談社選書メチエ/2016

都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る (講談社選書メチエ)

都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る (講談社選書メチエ)

メソポタミアで世界初の都市文明が形成される過程を書いた本。メソポタミアまたはシュメール文明について語る本は多いが、文明の誕生をクローズアップして詳しく語る本は少ないのではないか。貴重な本だと思う。

初めて造られた都市と言うものがどのようなものだったか、どうして造られたのかが分かる。

都市の定義はおそらく学者によって結構ちがうと思うがとりあえずこの本の都市のイメージ(?)を採用した。

前田徹/メソポタミアの王・神・世界観/山川出版/2003

メソポタミアの王・神・世界観―シュメール人の王権観

メソポタミアの王・神・世界観―シュメール人の王権観

王権というものを知りたくて手に取った本。どのように王権が誕生したかは分からなかったが、王権と神が強く結びついていることは理解した。結局のところ王権神授説だった。これはおそらく「首長権」は神より授かるものという考え方が先史時代からあったのだろう。

前田徹/初期メソポタミア史の研究/早稲田大学出版部/2017

初期メソポタミア史の研究 (早稲田大学学術叢書)

初期メソポタミア史の研究 (早稲田大学学術叢書)

2017年に出版された本。上の本と同じ著者で、重なる部分は多いが、歴史の流れを詳細に書いてくれている分こちらのほうが読みやすい。

詳細に書かれている分、細かすぎて入門書とはならなそうだが多くの知識を得るにはこの本は欠かせないだろう。

碑文や手紙など著者の主張に対する論拠がちゃんと載っているので説得力がある。

後藤健/メソポタミアとインダスのあいだ/筑摩書房/2015

イラン(エラム)地方やペルシア湾岸地域の情報が載っている貴重な本。考古学からの視点。

大津忠彦・常木晃・西秋良宏/西アジアの考古学/同成社/1997

西アジアの考古学 (世界の考古学)

西アジアの考古学 (世界の考古学)

農耕の誕生と文明の誕生のあいだに何があったのかを教えてくれる本が無い。この本が唯一わたしが発見できた本だが、不十分に感じている。

1997年出版名ので最新研究を盛り込んだ新版の出版を期待したい。