歴史の世界

進化論と人類の進化

人類の進化:ホモ属各種 ②初期ホモ属(ホモ・ハビリス/ホモ・ルドルフェンシス)

初期ホモ属は一般的にホモ・ハビリスとホモ・ルドルフェンシスのことを指す。この2種をアウストラロピテクス属だと主張する学者も多く(ロビン・ダンバー氏もその一人)、ホモ属に分類する学者も暫定的に分類している(れっきとしたホモ属だとする学者もい…

人類の進化:ホモ属各種 ①(最古のホモ属 ~多様性の中で~)

『人類進化の謎を解き明かす』の著者ロビン・ダンバー氏はホモ属の最初はホモ・エルガステルであり、それより前は猿人(アウストラロピテクス属)だと断言する。そのような学者は少なくないようだ(ホモ・エルガステルをホモ・エレクトスと同種と考える学者…

人類の進化:ホモ属の特徴について ⑫脳とライフスタイル その7(ライフスタイルの進化 後編)

前回からの続き。 人類進化の謎を解き明かす作者: ロビン・ダンバー,鍛原多惠子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2016/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 今回も上の本を頼って、ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレン…

人類の進化:ホモ属の特徴について ⑪脳とライフスタイル その6(脳とライフスタイルの進化 前編)

前回からの続き。 人類進化の謎を解き明かす作者: ロビン・ダンバー,鍛原多惠子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2016/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る さて、この記事では いよいよ、脳とライフスタイルの進化を辿っていく…

人類の進化:ホモ属の特徴について ⑨脳とライフスタイル その4(ダンバー数 後編)

前回からの続き。 今回もダンバー数について。 人類進化の謎を解き明かす作者: ロビン・ダンバー,鍛原多惠子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2016/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 共同体(氏族)と縄張り また狩猟採集民に…

人類の進化:ホモ属の特徴について ⑧脳とライフスタイル その3(ダンバー数 前編)

前回からの続き。 人類進化の謎を解き明かす作者: ロビン・ダンバー,鍛原多惠子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2016/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 今回はダンバー数を扱う。ダンバー数は社会脳仮説を元にダンバー氏が開…

人類の進化:ホモ属の特徴について ⑦脳とライフスタイル その2(時間収支モデルと社会脳仮説)

前回に引き続き、ロビン・ダンバー氏の著書の話をする。 時間収支モデルと社会脳仮説については理解が十分とはとても言えないのだが、頑張って書いてみよう。 人類進化の謎を解き明かす作者: ロビン・ダンバー,鍛原多惠子出版社/メーカー: インターシフト発…

人類の進化:ホモ属の特徴について ⑥脳とライフスタイル その1

脳の大きさと共同体の規模に相関があるという仮説がある。この仮説は「社会脳仮説」というもので、ロビン・ダンバー氏によって主張されている。 人類進化の謎を解き明かす作者: ロビン・ダンバー,鍛原多惠子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2016/06/…

人類の進化:ホモ属の特徴について ⑤火の使用

火の使用の跡については100万年前よりも遡ることができるが、習慣的な火の使用は40万年前からだ、というのが通説のようだ。 火の使用 火の使用の重要性 火の使用 火の使用の発明、または前回やった石器作製技術の発明・発達は、各地・各時代で散発的に起こっ…

人類の進化:ホモ属の特徴について ④石器

(前回からの続き) 今回はホモ属と石器について書こうと思ったが、石器時代のほぼ全てがホモ属の時代だということを書き始めてしばらく経ってから気づいた。ここではとりあえず、打製石器の発展の話を書くことにした。 ホモ属と石器について オルドワン石器…

人類の進化:ホモ属の特徴について ③狩猟採集

どの時点でかは分からないが、ホモ属は生存戦略として狩猟採集を選んだ(または、そうせざるをえなかった)。 狩猟採集民になった理由 初期の狩猟とはどのようなものか 狩猟採集民になった理由 氷河期は、300万年前から200万年前の継続的な地球寒冷化に端を…

人類の進化:ホモ属の特徴について ②長距離走行に焦点を置いたホモ属の形態的な特徴

この記事ではホモ属の特徴について書くが、ダニエル・E・リーバーマン著『人体 600万年史 上』*1の第4章「最初の狩猟民族」に頼って書いていく。 人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病作者: ダニエル・E・リーバーマン,塩原通緒出版社/メーカー…

人類の進化:ホモ属の特徴について ①どれだけ現代人(ホモ・サピエンス)に似ているか

「人類の進化」シリーズも いよいよ、われわれ現生人類が属するホモ属に突入する。 ホモ属の Homo とはラテン語で「人間」を表す。ちなみに australopithecusは「南の猿」という意味*1。ホモ属の個体はアウストラロピテクス属よりもぐっと現代人に近い外見と…

人類の進化:アウストラロピテクス各種(後編 「頑丈型」グループまたはパラントロプス属)

(注:アウストラロピテクス(Australopithecus)を「A.」、パラントロプス (Paranthropus) を「P.」と略す場合がある。) アウストラロピテクス属は2つに分けられる。前回の「華奢型」グループとは別に「頑丈型」グループがある。 頑丈型アウストラロピテ…

人類の進化:アウストラロピテクス各種(前編 「華奢型」グループ)

(注:アウストラロピテクス(Australopithecus)を「A.」と略す場合がある。) 人類はアルディピテクス属からアウストラロピテクス属が誕生し、アウストラロピテクス属からホモ属が誕生すると考えられている。ただし、アウストラロピテクス属は多くの種を持…

人類の進化:アウストラロピテクス ~森林からサバンナへ?~

アウストラロピテクスはネアンデルタール人と並んで最も有名な化石人類だ。 正式にはアウストラロピテクスという名称は属名でアウストラロピテクス・アファレンシスやアウストラロピテクス・アナメンシスなど複数の種がアウストラロピテクス属に属する。 し…

人類の進化:初期の人類たち/進化のストーリー

初期の人類と言えば、大半の人はアウストラロピテクスを思い浮かべると思うが、今回はアウストラロピテクスより前の4種の人類について書く。 この4種の人類はアウストラロピテクスと比べても、より原始的でサルの特徴をより多く残している。 アウストラロ…

人類の進化:「人類」の誕生

この記事で言うところの「人類」は我々ホモ・サピエンスではなくサルと分かれたばかりの我々の祖先のことを指す。 厳密に言うと(ここで言う)「人類」の誕生とは、ヒト族(Hominini)からヒト亜族(Hominina)への進化のことだ。 出典:サル目<wikipedia(…

人類の進化:霊長類と類人猿と人類の関係

この記事では、あらためて霊長類と類人猿と人類の関係について書く。 霊長類 類人猿 霊長類(霊長目=サル目)以下の分類について 分岐の年代 原郷(原産地)と拡散 人類と類人猿の共通祖先はアフリカ起源か? 霊長類 霊長目(れいちょうもく、Primates)は…

人類の進化:サルとヒトを分けるもの ~直立二足歩行~

ゴリラ、チンパンジー、テナガザルなどの類人猿と人間との最大の違いは歩き方です。我々人類は直立二足歩行ですが、彼らは四足歩行です。チンパンジーは腕が長く、地面に前の拳を付くように半直立で歩行するナックルウォークを行います。 出典:篠田謙一 監…

人類の進化:「ヒト」「ホモ・サピエンス」について

「ヒト」とカタカナで表記する意味 生物に命名するときはラテン語を使用して名付けることが国際規約で定められている。そしてこのラテン語名に対応する和名(標準和名)が定められている。ただし、和名を名付けるときの規約は無い。(学名<wikipedia、学名…

進化:進化にまつわる歴史⑦ 総合説 ~進化論論争の決着~

ラマルクの進化論はその中心にある「獲得形質の遺伝」の間違いを当初より指摘され、天地創造説(あるいは種は変化しないという考え)を覆すことはできなかった。 さて、ダーウィンの『種の起源』発刊からの状況。 ダーウィンやウォレスの書物はおおいに売れ…

進化:進化にまつわる歴史⑥ 19世紀にしぶとく残る天地創造説 ~ジョルジュ・キュヴィエの天変地異説~

進化論が登場した時代背景 19世紀前半の科学は まだキリスト教の影響が非常に強く天地創造説が強く信じられていた。記事「進化にまつわる歴史① ダーウィン以前」で紹介した天地創造説を支持するウィリアム・ペイリーの『自然神学』(1809)も広く読まれてい…

進化:進化にまつわる歴史⑤ もう一人の自然淘汰説論者、アルフレッド・ラッセル・ウォレス

前回からの続き。 自然淘汰説が初めて世に出たのは、1858年のチャールズ・ダーウィンとアルフレッド・ラッセル・ウォレスの共同論文だ。 共同論文と言ってもダーウィンとウォレスが共同研究をしたわけではなく、両者は独立して自然淘汰説を思いついた*1。 今…

進化:進化にまつわる歴史④ ダーウィンの自然淘汰

自然淘汰は natural selection の訳語で、自然選択とも呼ばれる。 自然選択説とは、進化を説明するうえでの根幹をなす理論。厳しい自然環境が、生物に無目的に起きる変異(突然変異)を選別し、進化に方向性を与えるという説。1859年にチャールズ・ダーウィ…

進化:進化にまつわる歴史③ ダーウィン以前の進化論 ~ラマルクの獲得形質の遺伝~

1623 スイスのギャスパール・ボアン、『植物対照図表』の一部で二名法を採用。 1686 イングランドのジョン・レイ、『植物誌』で種の概念を発表する。 1694 フランスのジョゼフ・ツルヌフォール、『基礎植物学』で種の上に属、目、網を立てる。 1735-59 スウ…

進化:進化にまつわる歴史② 分類学

1623 スイスのギャスパール・ボアン、『植物対照図表』の一部で二名法を採用。 1686 イングランドのジョン・レイ、『植物誌』で種の概念を発表する。 1694 フランスのジョゼフ・ツルヌフォール、『基礎植物学』で種の上に属、目、網を立てる。 1735-59 スウ…

進化:進化にまつわる歴史① ダーウィン以前

ダーウィンの自然淘汰説が出る以前は聖書に書いてある天地創造説と古代文明の頃からあった自然発生説が信じられていた。 この世にある全てのものは神によって創造されたという天地創造説は中世西欧では当然のこととして受け入れられていたが、科学的知識が増…

進化:進化について

厳密な学問上ではなく、一般的な進化は、ある種(生物)から別の新しい種ができることをいう。時々は新しい属もできる(種・属については記事「「種」「属」について/生物の分類について」参照)。この進化は生物学上、適応進化と言うらしい。 これ以外の進…

進化:適応と自然淘汰(自然選択)について

適応 1.ある生物のもつ形態、生態、行動などの性質が、その生物をとりかこむ環境のもとで生活してゆくのにつごうよくできていること[1]。[中略] 適応がいかにして起きているのかについての説明としては、生物学史的に見ると様々な説が提示されてきた過去があ…