歴史の世界

人類の進化:ホモ属について ①特徴その1:どれだけ現代人(ホモ・サピエンス)に似ているか

「人類の進化」シリーズも いよいよ、われわれ現生人類が属するホモ属に突入する。 ホモ属の Homo とはラテン語で「人間」を表す。ちなみに australopithecusは「南の猿」という意味*1。ホモ属の個体はアウストラロピテクス属よりもぐっと現代人に近い外見と…

人類の進化:アウストラロピテクス各種(後編 「頑丈型」グループまたはパラントロプス属)

(注:アウストラロピテクス(Australopithecus)を「A.」、パラントロプス (Paranthropus) を「P.」と略す場合がある。) アウストラロピテクス属は2つに分けられる。前回の「華奢型」グループとは別に「頑丈型」グループがある。 頑丈型アウストラロピテ…

人類の進化:アウストラロピテクス各種(前編 「華奢型」グループ)

(注:アウストラロピテクス(Australopithecus)を「A.」と略す場合がある。) 人類はアルディピテクス属からアウストラロピテクス属が誕生し、アウストラロピテクス属からホモ属が誕生すると考えられている。ただし、アウストラロピテクス属は多くの種を持…

人類の進化:アウストラロピテクス ~森林からサバンナへ?~

アウストラロピテクスはネアンデルタール人と並んで最も有名な化石人類だ。 正式にはアウストラロピテクスという名称は属名でアウストラロピテクス・アファレンシスやアウストラロピテクス・アナメンシスなど複数の種がアウストラロピテクス属に属する。 し…

人類の進化:初期の人類たち/進化のストーリー

初期の人類と言えば、大半の人はアウストラロピテクスを思い浮かべると思うが、今回はアウストラロピテクスより前の4種の人類について書く。 この4種の人類はアウストラロピテクスと比べても、より原始的でサルの特徴をより多く残している。 アウストラロ…

人類の進化:「人類」の誕生

この記事で言うところの「人類」は我々ホモ・サピエンスではなくサルと分かれたばかりの我々の祖先のことを指す。 厳密に言うと(ここで言う)「人類」の誕生とは、ヒト族(Hominini)からヒト亜族(Hominina)への進化のことだ。 出典:サル目<wikipedia(…

人類の進化:霊長類と類人猿と人類の関係

この記事では、あらためて霊長類と類人猿と人類の関係について書く。 霊長類 類人猿 霊長類(霊長目=サル目)以下の分類について 分岐の年代 原郷(原産地)と拡散 人類と類人猿の共通祖先はアフリカ起源か? 霊長類 霊長目(れいちょうもく、Primates)は…

人類の進化:サルとヒトを分けるもの ~直立二足歩行~

ゴリラ、チンパンジー、テナガザルなどの類人猿と人間との最大の違いは歩き方です。我々人類は直立二足歩行ですが、彼らは四足歩行です。チンパンジーは腕が長く、地面に前の拳を付くように半直立で歩行するナックルウォークを行います。 出典:篠田謙一 監…

人類の進化:「ヒト」「ホモ・サピエンス」について

「ヒト」とカタカナで表記する意味 生物に命名するときはラテン語を使用して名付けることが国際規約で定められている。そしてこのラテン語名に対応する和名(標準和名)が定められている。ただし、和名を名付けるときの規約は無い。(学名<wikipedia、学名…

進化:進化にまつわる歴史⑦ 総合説 ~進化論論争の決着~

ラマルクの進化論はその中心にある「獲得形質の遺伝」の間違いを当初より指摘され、天地創造説(あるいは種は変化しないという考え)を覆すことはできなかった。 さて、ダーウィンの『種の起源』発刊からの状況。 ダーウィンやウォレスの書物はおおいに売れ…

進化:進化にまつわる歴史⑥ 19世紀にしぶとく残る天地創造説 ~ジョルジュ・キュヴィエの天変地異説~

進化論が登場した時代背景 19世紀前半の科学は まだキリスト教の影響が非常に強く天地創造説が強く信じられていた。記事「進化にまつわる歴史① ダーウィン以前」で紹介した天地創造説を支持するウィリアム・ペイリーの『自然神学』(1809)も広く読まれてい…

進化:進化にまつわる歴史⑤ もう一人の自然淘汰説論者、アルフレッド・ラッセル・ウォレス

前回からの続き。 自然淘汰説が初めて世に出たのは、1858年のチャールズ・ダーウィンとアルフレッド・ラッセル・ウォレスの共同論文だ。 共同論文と言ってもダーウィンとウォレスが共同研究をしたわけではなく、両者は独立して自然淘汰説を思いついた*1。 今…

進化:進化にまつわる歴史④ ダーウィンの自然淘汰

自然淘汰は natural selection の訳語で、自然選択とも呼ばれる。 自然選択説とは、進化を説明するうえでの根幹をなす理論。厳しい自然環境が、生物に無目的に起きる変異(突然変異)を選別し、進化に方向性を与えるという説。1859年にチャールズ・ダーウィ…

進化:進化にまつわる歴史③ ダーウィン以前の進化論 ~ラマルクの獲得形質の遺伝~

1623 スイスのギャスパール・ボアン、『植物対照図表』の一部で二名法を採用。 1686 イングランドのジョン・レイ、『植物誌』で種の概念を発表する。 1694 フランスのジョゼフ・ツルヌフォール、『基礎植物学』で種の上に属、目、網を立てる。 1735-59 スウ…

進化:進化にまつわる歴史② 分類学

1623 スイスのギャスパール・ボアン、『植物対照図表』の一部で二名法を採用。 1686 イングランドのジョン・レイ、『植物誌』で種の概念を発表する。 1694 フランスのジョゼフ・ツルヌフォール、『基礎植物学』で種の上に属、目、網を立てる。 1735-59 スウ…

進化:進化にまつわる歴史① ダーウィン以前

ダーウィンの自然淘汰説が出る以前は聖書に書いてある天地創造説と古代文明の頃からあった自然発生説が信じられていた。 この世にある全てのものは神によって創造されたという天地創造説は中世西欧では当然のこととして受け入れられていたが、科学的知識が増…

進化:進化について

厳密な学問上ではなく、一般的な進化は、ある種(生物)から別の新しい種ができることをいう。時々は新しい属もできる(種・属については記事「「種」「属」について/生物の分類について」参照)。この進化は生物学上、適応進化と言うらしい。 これ以外の進…

進化:適応と自然淘汰(自然選択)について

適応 1.ある生物のもつ形態、生態、行動などの性質が、その生物をとりかこむ環境のもとで生活してゆくのにつごうよくできていること[1]。[中略] 適応がいかにして起きているのかについての説明としては、生物学史的に見ると様々な説が提示されてきた過去があ…

進化:突然変異について

進化の重要なキーワードの一つ、突然変異についてまとめておこう。 突然変異の説明に必要な用語たち 遺伝子 DNA 染色体 突然変異 突然変異の影響(有害か有益か) 分子時計 突然変異の説明に必要な用語たち 「何となく分かりそうな用語」をもう少し詳しく…

進化:「種」「属」について/生物の分類について

前回の記事で種(しゅ)・属について少し書いたが、この記事では少し詳しく書く。 種(しゅ)・属(前回のおさらい) 形態的種 生物学的種 属 生物の分類 学名 おまけ:イヌとネコについて イヌ ネコ 種(しゅ)・属(前回のおさらい) 前回の記事に書いたも…

進化:【用語の変更のニュース】「優性遺伝→顕性遺伝、劣性遺伝→潜性遺伝」はいいが、「突然変異→変異」は混乱を招くのではないか

生物学の用語の変更の動きのニュースがあった。 遺伝の「優性」「劣性」表現を変更へ 教科書の変更も 遺伝の研究者などで作る日本遺伝学会は、遺伝子の特徴を示す「優性」や「劣性」という用語について、一方が劣っているかのような誤解や偏見につながりかね…

進化:「進化」について説明してみる

「進化」という意味あるいは定義をネットで調べてみたが、納得がいく「簡潔明快な説明」というものがなかった。 そこで素人の私が説明に挑戦することにした。 簡潔に書こうと思ったが、2000字を越えてしまった。 「進化」を知る前に知っておくべき用語 種(…

人類の進化シリーズを書く

これから人類の進化シリーズを書く。「人類の進化」カテゴリーに保存する。 人類の進化とこのブログの人類の進化カテゴリーについて 人類の進化シリーズで書くこと その他 人類の進化とこのブログの人類の進化カテゴリーについて 人類の進化(じんるいのしん…

【カスタマイズ備忘録】「次の記事へ」「前の記事へ」をカスタマイズ

記事の末尾部分に「次の記事へ」「前の記事へ」などというボタンがある。前後の記事へ移動するリンクのボタンだ。これをページャーというらしい。 当ブログのブログテーマは「Innocent」で、デフォルトのページャーは「NEXT」「PREV」だった。これだとどちら…

【カスタマイズ備忘録】飾り気のない「記事一覧」の作り方

このブログの記事一覧のスナップショット ブログのカスタマイズは、基本的には、来訪者の興味を惹くようにデザインするものだとは思う。私もこのブログを始める前に1ヶ月もいろいろいじってみたが私自身センスが無いみたいなので止めた。そして「興味を惹く…

メソポタミア文明:メソポタミア文明シリーズの主要な参考図書その他

「メソポタミア文明」のカテゴリはウル第三王朝滅亡の前2000年頃までで終わり。この後は「オリエント世界」で書いていこう。 以下はこのカテゴリーで利用した主な参考図書。 前川和也編著/図説メソポタミア文明/河出書房(ふくろうの本)/2011 図説 メソ…

メソポタミア文明:シュメール文明の周辺⑧ マリ/その他の地域

ここでは前三千年紀の歴史だけを書く。それ以降はまた別の機会に書こう。 参考文献 最初の居住者 マリ王国 マリ-エブラ戦争とその後の滅亡 アッカド王朝の統治時代から第三マリ王朝へ 経済 その他の地域 参考文献 Mari, Syria<wikipedia英語版 マリ<wikipe…

メソポタミア文明:シュメール文明の周辺⑦ エブラ

参考文献 先史 前三千年紀 エブラ文書 参考文献 Ebla<wikipedia英語版 エブラ<wikipedia日本語版 前川和也編著/図説メソポタミア文明/河出書房(ふくろうの本)/2011 先史 出典:図説メソポタミア文明/p52 エブラはシリア北部にあった都市国家。遅くと…

メソポタミア文明:シュメール文明の周辺⑥ ペルシア湾岸文明(その3)バールバール文明

前回書いたウンム・ン=ナール文明からバールバール文明に移る。 バールバール文明 さらなる植民、ファイラカ島へ 衰退 バールバール文明 ウンム・ン=ナール文明があったオマーン(マガン)には銅鉱山と湾岸交易の中枢(首都機能)があったが、やがて、前三…

メソポタミア文明:シュメール文明の周辺⑤ ペルシア湾岸文明(その2)ウンム・ン=ナール文明

前回は湾岸文明の先史までを書いたが、今回は文明の時代に入る。 ウンム・ン=ナール文明 誕生の背景 銅山開発、銅製品、「バット、アル=フトゥム、アル=アインの考古遺跡群」 バット、アル=フトゥム、アル=アインの考古遺跡群 ウンム・ン=ナール文明と…